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「輝かしい青春」なんて失かった人のブログ

Lexar NM790 4TBとSparkle Eco Intel Arc A310を買った

こう言った何々を購入しました!という類いの話を書くのは久しぶりなのですが、 今回は、

と、

を購入した、と言う話です。

なぜ購入したか

主な理由としては、

  • 今のPCに繋いでいるストレージが目一杯になってきた
  • WindowsをVMで飼いたいがGraphic Accerelationがつらい
  • NVIDIA環境下でのWaylandから脱したい

と言った辺りです。

また将来的には今積んでいるRTX 2060をRTX 4070 Super辺りに載せ替えた上で、 Meta Quest 3辺りを買ってPCVR(主に興味があるのはVRChat)を楽しみたい、 と言う理由もあったり無かったりですね。

Lexar NM790 4TBを選んだ理由

今回はそもそも、

PCIe Gen 4対応の4TB NVMe SSDを買う

と言うところまでは決まっていたので、後はブランドを選ぶだけでした。

そしてその中でいわゆる蝉族(?)と謳われるLexar NM790を選択した理由としては、

と言う辺りです。

なおここで言うおみくじリスク(※)とは販売途中で部品の質を落として原価を下げる等、 消費者に不利益を伴う部品変更のことを指しますが、私は片面実装の4TBでそうそう手抜きは出来んやろとの判断のもとLexar NM790 4TBを選びました。

また今の蝉族(?)と呼ばれるNVMe SSDでは、アメリカのエンティティリスト入りでAppleへ納入できなくなったチップが使われている、 とのうわさも耳にしていたので、そこも含めて敢えてリスクある選択をした、と言う面もあります。

そのため今後の状況次第では今回と同じ条件でモノが買えるとは考えにくいので、 その場合にはcrucialやWestern Digital、Samsungなどの自社でチップをまかなえるブランドを選んだ方が良い、 と私は考えてますね。

Sparkle Eco Intel Arc A310を選んだ理由

これについては今のケースの制約上、今回購入したSparkle Eco Intel Arc A310以外刺しようがない、 と言う点と、

  • NVIDIAのGPUをGPU Passthroughして使う
  • Wayland DesktopではIntelのGPUが一番安定する
  • AMDのRadeonでは古い型のGPUしかない

といった辺りが選定理由になりました。

なおここもけっこうな博打を打っていて、そもそもこれって今のマシンに刺せるか?と言う事も怪しい感じでしたし、 仮に刺せたとしても今度はグラボの温度とか大丈夫か?という状況は当然想定していました。

とは言えこれについてはなんとかなったので、まー買って良かった! ……と言う感じなのですが、現実としてグラボが刺さっている状況は下の写真の様になっています。

2024年6月14日現在に使っているマシンへSparkle Eco Intel Arc A310をギリギリで装着している様子

これ、パっと見は分かりづらいですが、Intel Arc A310とRTX 2060がピッタリと隙間なく刺し込んでありますし、 またエアフロー的にもあんまり良い状態ではないので、ちょーっと耐久性が大丈夫かな?と言う状況です。

しかもSparkle Eco Intel Arc A310のブラケットとマザボ + ケースの位置が微妙に干渉していて、 半ば強引に差し込んでいる都合上Intel Arc A310の基板が若干たわんでいます。

そのため、これが今後経年劣化していって、かつ熱も加わった状態が続いてしまうと、 はんだクラックとか起きそうだよなー……と戦々恐々としていますが、まぁ今は動いているので良しとしています。

……ただ本来は良くないんですけどねー。

購入後にやったこと

Sparkle Eco Intel Arc A310の動作チェック

Sparkle Eco Intel Arc A310に関してはAmazon.co.jpで注文した次の日にはすぐ届いたので、その日の内にPCへ設置。 その際にRTX 2060を再装着しない状態で動作確認をしていました。

またRTX 2060をすぐに再装着しなかった理由としては、

  • RTX 2060を引き抜くことが大変(めっちゃ苦労した)
  • NMVeの空きスロットはGPUを外さないとアクセスできない
  • 上記理由から初期不良などを確認するまでGPUを付けない方がよい

と言った辺りです。

なお検証結果としてはlabwcでの動作確認も問題なく、今この記事を書いている時点でも問題なく使えています。 そのためSparkle Eco Intel Arc A310の購入は最終的に問題なく目的が達せられました。やったね!

Lexar NM790 4TBへ諸々のチェック

そしてSparkle Eco Intel Arc A310が届いた後日、件のLexar NM790 4TBが届き、 精神的な余裕が出来た時点でPCへの取り付けを行いました。

なおLexar NM790 4TBへ取り付けたNVMe SSDヒートシンクは、

だったのですが、慣れない作業であった事もあり、割とこうヒートシンクの取り付けには苦労した感じです。 (と言うか半ば強引にヒートシンクをねじ止めしたけど、大丈夫なんかな、アレ……)

んでここからが肝心要の動作確認で、私はLexar NM790 4TBに対し次の確認をしました:

  • f3による容量偽装 or チップの実装ミスの確認
  • kdiskmarkによるストレージへのベンチマーク

まず f3(Fight Flash Fraud)とは何かと言うと、 これは主にFlashストレージへの容量偽装を見抜くことを目的としたソフトウェア群です。

このソフトウェアを使うと、例えばUSBスティックのストレージやMicroSDカードなど、 そういった容量偽装が容易なモノについての検品が行えます。

またこのソフトウェアではいくつかのコマンドが実装されているのですが、 実際に使ってみた流れとしては下記の様な感じです:

# `nix` を使って `f3` が使える shell に入る(NixOS環境なので)
$ nix shell nixpkgs#f3

# 簡易チェック。注意としてはストレージの中身は破壊される
# また誤操作による既存ディスクの破壊を防ぐために `/dev/disk/by-id`のパスを使う
$ f3probe --destructive --time-ops /dev/disk/by-id/{ID}

# `f3write` と `f3read` で実際の容量をチェック
# この時 `/dev/disk/by-id/{ID}` はl format 済みとする
$ sudo mount /dev/disk/by-id/{ID} /tmp/lexar
$ cd /tmp/lexar
$ f3write .
$ f3read .

あとLexar NM790 4TBのベンチマークについては、kdiskmarkをシステムに追加した後、 kdiskmarkを起動してボタンをポチっと、で実行しました。

なお結果としては、

  • NVMe SSDへの容量偽装や実装ミスはなくスペック通り実装されている
  • ベンチマークについては6900MB/s辺りが安定して出る

と言う感じだったのですが、ベンチマークについてはそもそもOSとファイルシステムが異なっている上、 LinuxではI/Oスケジューラーすら切り替えられるため、どこまで信じていいのかはちょっと分かりません。

そのためベンチマークでカタログスペック通りのI/O速度が出ていたか?と問われると、 うーん?良く分からんな?と言う辺りが正直なところですね。はい。

Lexar NM490 4TBへのシステムデータの移行

話が長くなってきた感じですが、まだまだ行きます。

一応今回のLexar NM790 4TBへのテストでは容量や速度に問題がない、と分かったので、 次にやったことはデータの移行です。

これについてはNixOSを使っている事もあり、NixOSのlive diskを起動した後、 下記のような流れでコマンドを発行し作業していった感じです:

# NixOSのlive環境でやっている
# まずGPTパーシテョンを切ってから各パーティションを初期化する
# なおswap partisionについてはNixOSのシステム側で色々をするので
# この段階ではフォーマットなどはしない
#
# なおパーティション構成は次の通り:
# - ESP
# - Swap
# - luks encrypted volume
$ sudo cfdisk -z /dev/disk/by-id/{Id}
$ sudo mkfs.vfat -F32 /dev/disk/by-id/{Id}-part1
$ sudo cryptsetup luksFormat /dev/disk/by-id/{Id}-part3

# 次にluks encrypted volumeをmountし`partclone.btrfs`でbtrfsを複製、
# 後に新しい方のbtrfsパーティションへuuidを振り直す
$ sudo cryptsetup open /dev/disk/by-id/{OldSSDIDPartition} old
$ sudo cryptsetup open /dev/disk/by-id/{Id}-part3 new
$ sudo partclone.btrfs --dev-to-dev --source /dev/mapper/old --output /dev/mapper/new
$ sudo btrfstune -u /dev/mapper/new

# あとは`/etc/nixos`の設定を調整して`nixos-install`を実行する
# ただし自分の環境はtmpfs as rootfsなので色々と複雑……
$ sudo mount -t tmpfs none /mnt
$ cd /mnt
$ sudo mkdir -p boot nix var/{lib,log,db} etc
$ sudo mount -t btrfs -o compress=zstd,ssd,space_cache=v2,subvol=/nix nix
$ sudo mount -t btrfs -o compress=zstd,ssd,space_cache=v2,subvol=/var/db var/db
$ sudo mount -t btrfs -o compress=zstd,ssd,space_cache=v2,subvol=/var/lib var/lib
$ sudo mount -t btrfs -o compress=zstd,ssd,space_cache=v2,subvol=/var/log var/log
$ sudo mount -t btrfs -o compress=zstd,ssd,space_cache=v2,subvol=/etc etc

# ここでパーティションのUUIDなどを変える
$ nvim etc/nixos/system/profile/NyZen9.nix

# あとは`nixos-install`して UEFI BIOSでbootloaderを入れ替えればok
$ sudo nixos-install --root /mnt --flake /mnt/etc/nixos#nixos

実はここで色々とミスがあり試行錯誤をやった結果nixpkgsのデータベースに不整合が起きたとか、 そう言う困った状況になったりしましたが、まぁ色々を色々してなんとかした、とだけ言っておきます。

(なお中身としてはSQLiteのDBに余計な行が入ってしまい、その影響で一部のnix関連のコマンドが動かなくなりました……)

以上

……と言う感じで今回は、

と、

を購入し、それに伴って色々とシステムを移行した、と言う話でした。

一応、今回の買い物ではここまでで話が終わった感じなのですが、 どうにも冷却が足りてない予感もあるので、次はケースファンの買い足しをやろうかな、と思ってます。 あとの残りは予算を貯めてRTX 4070 SuperをGETしMeta Quest 3を買うとかその辺りですね。

なお今この記事を書いている段階ではGPU Passthroughの環境は用意できていないのですが、 これについては今後色々やって環境を確保したいなーというところです。

あとこれは完全に想定外だったことなんですが、 実はSparkle Eco Intel Arc A310のファンはかなりやかましい、と言う問題があります。

どういうことかと言うと、これはファンの回り方が問題で、どうもSparkle Eco Intel Arc A310のファンの回り方は、

  • ファンが高速で回る
  • →GPUが冷めるのかファンがすぐに減速する
  • →そして次にファンが高速に回りだす
  • →やはりと言うかその後ファンがすぐに減速する
  • →最初に戻る

と言う流れになってしまうっぽいんですよね。

で、一応VBIOSのupdateもやってみて色々試したんですが、どうにも改善せず、 状況としては下記のリンク先と同じ状態になっているみたいです:

sparkle Intel Arc A310 fan control not improved in 5379 and 5382 - Intel Community

んで、これについてIntel側はSparkleに修正するよう言っておいたから、あとはSparkleに問い合わせてね! と言うステータスっぽいので、まぁ今後新しいファームウェアが降ってくるまで待ちかなぁ……、 と言う状態です。はい。


とまぁ上記のファンの問題以外は良い買い物ができたので、その点は満足しています。

ただ今のところストレージ上のデータ移動を未だ行なっていないのと、 GPU Passthroughを伴うVMの用意が出来ていないので、今後はそこを作業することになるかなーと言う感じです。

また今回の買い物でWayland Desktop環境もかなり改善したので、そこも嬉しいポイントでした。 何せ今まで環境変数でハックしていたlabwcが何もせずに動いたからね。 そこはやっぱりIntelのGPUかーと言うのが正直なところ。

……と思ってたより文章量が多くなってきたので、この辺りで話の〆としておきます。

なお今回の予算はまんだらけに売り払った今まで溜め込んだ同人グッズの売上げでまかなわれています。 こう色々とレアっぽいものを売り払ったので、そこそこな現金となりました、良かったですね。