……と最近の Twitter 関連の話題を見るたびに思うのですが、 今日はなんとなく気が向いたのでその辺りのメリット・デメリットの話をします。
なお内容としては、
と言う構成になっています。
また予め言っておきますが、私は 今の Twitter に対してかなりネガティブな印象しか持っておらず、 事あるごとに Twitter は更地になってヘイトクライマー共々爆散しろ、と言った様な発言をしているので、 その辺りは差し引いてお考え下さい。
最後に 色々と書き連ねた結果かなり長いです 。もし読む時はヒマのある時にするか、 もしくはあとで読むにでも突っ込んで頂けると幸いです。
Twitter から Fediverse への移住の長所と難点
概要
まず Twitter から Fediverse への移住に対して最大の難点は、
そもそも Fediverse とかマストドンとか Misskey って何?
と言う点でしょう。
また Fediverse 全般の課題として、
- フォローできそうなアカウントを見付けることがツラい
- アカウントの登録先(インスタンス)が突然消滅する
- 悪意あるアカウントからはブロックとミュート以外の対応が取りづらい
と言った点が上げられます。
その反面、Fediverse へ移住する利点としては、
- 理不尽なアカウント凍結から逃れられる(場合もある)
- ネットで疲れる話題から離れのびのびとバカな事をやれる(良識の範囲で)
- 口喧しい人々に対しては容赦なくブロックとミュートで対応できる
と言った辺りです。
また Fediverse のインスタンスを立てられる方であれば、
- 自分の発言のデータを自己管理できる
- サーバ間通信(ActivityPub)の接続先も自由に選択できる
- 何より自己の発言内容に干渉されることが少ない(ただし反面責任は重くなる)
と言うメリットも享受できます。
細かい説明
そもそもマストドンとか Misskey とは何か?
そもそも Twitter から Fediverse へ移住しよう! と言われても マストドンとか Misskey とか何? と思われる方が多数だと思います。
まず Fediverse とは何かと言うと、現実の物事で例えると スマホや携帯電話、固定電話などの電話回線のネットワーク の様なもので、 マストドンとか Misskey は 携帯電話回線を実現するインフラ・電波帯域 に相当するものです。
また Fediverse 用語で言うところの インスタンス と言う単語は、 例えば docomo とか au とか Softbank 、あるいは格安 SIM などの通信会社に相当します。
ではこの例えで Twitter とは何?と言うと、これは誰でも契約できる専用回線だけどそれ以外の事業者とは一切通信できない、 と言った様なサービスになるかと思います。
それでもう少し突っ込んだ話をすると、Mastodon や Misskey は Fediverse のインスタンスを構築するためのサーバサイドソフトウェアで、 インタンスと言うは使える様になった Mastodon や Misskey の公開サーバの事です。また Fediverse とは ActivityPub で通信できるソフトウェアの総称でもあります。
この辺りピンと来ない方は来ないと思うのですが、Mastodon や Misskey は ActivityPub と言うプロトコルで相互通信が出来る様になっており、 これによって Mastodon インスタンス上のアカウントを Misskey インスタンスからフォローできる、と言った様な事を実現しています。
Fediverse の利点
まず Fediverse の最大の利点は(管理者が良識ある人物である限り)理不尽で一方的なアカウント凍結が無い ことです。
これは例えば Twitter では誰か気に入らない人物を集団で通報して凍結させる、と言った個人攻撃が出来てしまいますが、 Fediverse では管理者が(良くも悪くも)人力でアカウント凍結の判断をしている ため、そう言った事は起きにくい です。
また Fediverse では自分が好きな空気感のインスタンスを自分で選ぶことが出来ます 。
例えば往年のふたばちゃんねると連想させるインスタンスが好きなのであれば Misskey.io を選んだり、 あるいはちょっと落ち着いた荒れにくいインスタンスを選ぶのであれば Fedibird を選ぶと言う手もあります。
その他 Fediverse には一定の思想の元に人が集まったインスタンス(例えば LGBT の権利擁護など)もあり、 自身と近しい意見を持つ集団に入れる他、逆にそう言った人々と交流したくない、と言った場合には、 サーバーブロックなどの機能を用いて、そう言ったサーバを丸ごとブロックしたりすることが出来ます。
そう言った意味で Fediverse ではお互いにインスタンスの住み分け、と言う事が出来ますし、 あるインスタンスではおバカな事を言い合ったりするけれども、他のインスタンスでは真面目な政治の話をする、 と言った様なインスタンス毎の文脈の使い分けが出来たりもします。
但し一点注意点として、Fediverse インスタンスの新規登録は常に開放されているとは限らず、 例えば Misskey.io はユーザー規模によって登録を閉じたりしますし、Fedibird については管理者ののえるさんが時々招待コードを公開している程度です。
そのため自分が合いそうなインスタンスであっても常に新規登録が開いているとは限らないため、 その点には十分注意する必要があります。
Fediverse の難点
これはもうある程度は仕方の無い事なのですが、Fediverse はアカウントを集約して誰かオススメすると言った様な機能に乏しく、 誰をフォローするか についてはかなり自力で探す必要があります。
また Fediverse 特有の機能として フォローのロック と言う機能があり、 これはフォローを行うためにはアカウントの持ち主の承認が必要と言った機能で、 フォローのロックを掛けている方に対しては、ある程度発言が無いとそもそもフォローさせてもらえない、と言った場合もあり得ます。
あと Fediverse への参加でやっかいな問題として インスタンスの突然消滅 と言う事があり、 これはそのインスタンスの管理者が燃え尽きて消滅することもあればインスタンスを実現するインフラ事業者からサーバを止められる、 と言う事もあるため、サービスの持続性と言う観点からはやや難があったりもします。
それと悪意あるアカウントやサーバに対して、自身が取れる対策と言うのがサーバブロックかアカウントのミュートで、 悪質なアカウントはそのアカウントがあるインスタンスに対して通報と言う対処が取れますが、 通報に対して対応されるかどうかはそのインスタンスの管理者次第なので、その辺りにも難があります。
開発者ならお一人様インスタンスを立てましょう
この辺りは開発者向けの発言ですが、もしある程度のインフラの知識とデプロイを面倒くさがらずに出来る技量があるならば、 Fediverse のインスタンスは自分で立てた方が良いです。
と言うのもお一人様インスタンスの方が管理への自由度が相当高いですし、 Fediverse ソフトウェアによっては管理が容易なものも存在するので、 そう言った意味でもある程度の面倒を引き受けられるのであれば自分でインスタンスを立てた方が自分以外の管理者に振り回されずに済みます。
ただそう言った自由度がある反面、自身の発言を諫める他人は少なくなるため自己管理の徹底が必要となって来ますし、 また自己インスタンスのメンテもしないとダメなので、そう言った意味では自分の行動に責任を持つと言う点で難易度はそこそこ有ったりもします。
Twitter を使い続ける利点と欠点
概要
そして次に Twitter を使う利点と欠点を先に述べて起きますが、Twitter を使い続ける利点として下記が考えられます:
- Twitter での(既存の)交流関係は維持できる
- Twitter には(日本語圏では)未だ人がいるので集客や仕事が出来る
- Twitter の機能を駆使すれば(攻撃的な人に目を付けられない限り)平和に暮せる
逆に Twitter の欠点としては下記の通りです:
- Twitter 自体のサービス提供に対する継続性が危うい(収益難・人離れ)
- Twitter を使う限りの仕様変更や人々の醜悪さに延々と振り回される
- Twitter アカウントを人質に取られたり凍結されるとそれで終わる
また個人的に Twitter を離れた方が良いと考える理由は次の 3 つです:
- トランスジェンダーやフェミニズム、オタク表現への悪意と嫌悪に染まってしまう
- クリエイターはアカウント凍結と作品を燃やされる恐怖に怯えなければならなくなる
- 開発者は Twitter と関わる限り Twitter への隷属を強要される
細かい解説
Twitter を使い続ける利点
個人的に Twitter に留まり続ける最大の利点(と考えられる事)は、
既存の繋りを維持し、みんなで今までと変らずワイワイできる
と言う点にあると思います。
これは要するに 現状維持が出来る と言う事で、今までと同じ様に Twitter を使いたい、 と言う人にとっては大きな利点と考えらます。
また ネットワーク効果 と言った働きによって、人が居るから交流でき、交流できるから人と出会える、 と言った事も(一応)機能しているので、そう言った意味では人との繋りを伸ばす事もできます。
それと Twitter は西欧圏では人が離れつつある(らしい)とは言え、日本ではその流れがそれほど強くなく、 集客面ではまだまだ Twitter が強い所があるので、そう言った意味では仕事に繋げられる可能性も高くなります。
あと Twitter で心無い人たちを避けるためにミュートやブロックを駆使することによってある程度は自衛が出来る様になっており、 そう言う機能を活用することが出来れば、今でもそう極端な悪意を拾う事を少なくすることは出来ます。
Twitter を使い続ける事による欠点
次に Twitter に留まり続けることの欠点としては、
サービスの持続性への疑問や、アカウント凍結や仕様変更に振り回される
と言う辺りです。
まず Twitter 自体、イーロン・マスク氏の買収によってかなりの借金が発生していますし、 かなり大幅な人員削減によってサービス規模に対するスタッフ数が激減しています。
そのため Twitter を利用する上では、サービスに障害が起きた時エンジニアスタッフの人手が足りず大規模な障害が発生しそのまま延々と復旧されない、 と言うリスクも当然考慮した方が良いでしょう。
また仕事や集客のために Twitter を利用する場合、Twitter から一方的かつ理不尽な凍結によってアカウント閉鎖を余儀無くされる場合や、 最悪のケースだとアカウントを凍結させることを目的として悪意ある通報を連打される事も考えられます。
それと一般個人としての利用でも、発言内容や活動内容によっては些細なことから炎上が引き起されるリスクがある他、 創作活動を行う方に依っては一方的な放火行動による被害を受ける可能性すらあります。
そのため Twitter を今までと同じ様に利用し続けるためにはその辺りを加味した行動、 つまり (良識と良心に従う限り)無難なこと以外は一切言えない と言う状況になる覚悟が必要です。
この点について、昔は尖った事をやっていた人達が無難な事しか言わなくなった理由の一つに、 何か事が起きると大炎上すると最悪日常生活すら脅かされる、 と言う事へのリスク回避も関連していると考えています。
あと昨今の Twitter(特にイーロン・マスク氏の買収後)は外部の開発者を徹底的に締め出し、 自分たちだけでエコシステムを作ろうとしている印象が強く、外部の開発者への混乱なぞ気にも止めない、 と言う意向を私は感じ取っています。
そのため Twitter 関連サービスの開発は、個人開発者では手が出ない高額な API 利用を諦めるか、 あるいは法人向けであっても相当に吹っ掛けた利用料を支払うか、と言う印象なので、 最早 Twitter 関連サービスは開発すべきではないのでは?と個人的には考えています。
Twitter を使い続ける事の最悪な点
まず昨今の Twitter ではトランスジェンダー女性に対する増悪煽動が激化していて、 その結果として、
- トランスの女性弁護士である仲岡しゅん氏に対して殺害予告が送り付けられる
- トランス女性への増悪行動を真に受けた内容を LGBT 理解促進法に突っ込まれる
と言う事が起きています。
またそれ以外についても Twitter では様々な悪意ある発言が跋扈しており、
と言った面々から悪影響を受け、
と言う 百害あって一理なしと言う考え方に染まってしまう リスクが非常に高くなっています。
そしてこれらの事から Twitter の利用者は常に悪意の尖兵に仕立て上げられる と言うリスクに曝されており、 Twitter の利用者は常にこのリスクを背負わさせられている状態にあると考えています。
以上
と言う事でクッソ長い記事になってしまいましたが、私が Fediverse に移住するための判断材料となる、
- Fediverse 移住と長所と難点
- Twitter 利用継続の利点と欠点
についての話は以上です。
なお私は今 Twitter は完全に放置アカウントとなっていて、普段の SNS 利用は自分で立てたインスタンス か、 あるいは Misskey.io か Fedibird のどこかしらに居ます。
なおこれらのアカウントの使い分けについては、
- @nyarla@kalaclista.com - 普段の開発者としての発言
- @nyarla@misskey.io - おはよー!とか猫の写真とかその辺り
- @nyarla@feidbird.com - 色々と小賢しいことを考えたり場
と言った感じです。
なお私が Twitter を見限った理由についてですが、昨今のトランスヘイトがあまりにも酷く誰もがトランス排除派に毒されており、 そう言う発言を見るたびに精神が削られるのが嫌になった(性別違和の当事者なので……)のと、 あとイーロン・マスク氏の気紛れや Twitter のサードパティ軽視の API 締め付けとか、そう言う諸々が積み重なって、と言うのが大きいですね。
もっとも Twitter を離れるかどうかは個人の自由にしたら良いかと思いますが、 今の Twitter は下手打つと一瞬で潰れる可能性も無くはないので、 そう言った事へのリスク回避としても Fediverse にアカウントを作って繋がりを維持しておく、 と言う事をやっても良いかと思います。