coinhive 事件に関連して日本ハッカー協会が募集していた事件への意見書を提出しました

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とりあえず、​自分が​書いた​意見書は、

でも​読める​ほか、​私が​管理する​下記の​ URL でも​閲覧できます:

そもそも​何故、​私は​意見書を​書いたか

これに​ついては​基本的に、​私の​諸事情を​鑑みて、

金は​出せないが​文章なら​出せる

と​判断した​ためなのと、​あと​今回の​ coinhive 事件で​下された​不正指令電磁的記録の​要件を​用いれば、​ Whataboutisum​(そっちこそ​どうなんだ主義)を​使うまでもなく、

  • Google Adsense を​含めた​自動配信広告
  • Google Analytics を​始めと​する​解析ソフトウェア

を​利用する​ことが、

opt-in で​利用しなければ​ 原則と​して​犯罪

と​言われていると​解せるに​等しい​内容だったからです

また​昨今の​不正指令電磁的記録に​関する​罪の​杜撰な​乱用具合から​しれみれば、​ それ以外にも​悪影響あるよねーと​言うことも​今回の​意見書の​提出に​繋がりました。

coinhive 事件への​自分が​持っている​懸念に​ついて

自分が​持っている​懸念に​ついては、​上記リンク先の​意見書を​読んでくれーと​言う​感じなのですが、​ 一応​ここでも​要点に​触れておくと、​これは​次の​通りに​なります:

  1. coinhive 事件の​高裁理論で​自動配信広告や​アクセス解析の​提供を​違法化できる
  2. 自動配信広告や​アクセス解析の​提供を​違法化できると​ Web 事業が​死ぬ
  3. さらに​ coinhive 事件と​他の​事件を​組合せると​プログラミング教育が​死ぬ

まず​(1)に​ついて、​coinhive 事件での​高裁判決では、

  • coinhive は​社会的に​容認されていない
  • coinhive を​拒否できず賛否両論を​認識してな​お提供していた
  • coinhive の​利益は​掲載者だけに​与えられる​ものだった

と​言う​辺りを​有罪の​根拠に​されていました。

それで​この​解釈基準自体、​自分と​しては​ Web 広告の​内、​ 特に​ Google Adsese の​類いの​自動配信広告は​思いっきり​該当すると​考えているんですが、​ それは​何故かと​言うと、​これは​次の​様な​根拠に​依ります:

  1. Google Adsense などの​自動配信広告が​社会的に​許容されている​事実は​ない​
    • 根拠 1: だったら​何故広告ブロッカーが​増えて​来てるのか​説明が​付かない
    • 根拠 2: ターゲティング広告技術は​ GDPR などで​規制されつつある
    • 根拠 3: Web 閲覧者は​広告などを​見る​ために​ WebSite を​訪れたのではない
  2. Google Adsense などの​ターゲティング技術は​賛否両論が​広く​認識されている​
    • 根拠 1: 仮に​賛否両論が​無かったとしたら​なんで​ GDPR が​出来たのか
    • 根拠 2: GDPR 対応の​ WebSite が​ある​こと自体、​自身の​非を​認識している
    • 根拠 3: Web 開発者なら​上記は​知ってるよね?と​言われたら​否定できない
  3. Google Adsense は​主に​ Web 事業者側だけの​収益化に​使われる​
    • 根拠 1: まず​閲覧者側に​収益を​分配しますとか​無いですよね
    • 根拠 2: Web 広告って​事業者側の​収益化に​使われるのが​主じゃないですか
    • 根拠 3: 事業者側に​利益が​あるだけで​閲覧者側には​利益無いですよね?

つまる​ところ、​私は​高裁判決に​おいて​ coinhive を​不正電磁的記録物と​見な​した​理論に​ついては、​ 当然の​様に​ Google Adsense の​様な​ターゲティング広告は​該当する と​考えていて、​ もし仮に​これらが​違法行為と​して​取り締られるのであれば、​ もちろん ​それらの​収益を​依存する​ Web メディア は、​ 犯罪行為で​収益を​上げる、​犯罪者集団に​なってしまいますよね?​ と​言う​ことを​問題意識と​して​持っています。

また​ Web 広告自体を​そもそも​許容するべきではない と​言う​意見も​あるかと​思いますし、​ それに​対してある​程度の​理解は​示せます。

しかし​だからと​言って、

無料広告モデル と​して​ 広く​使われている​ビジネス手法

を、

明確な​規制法もなく、​ただ裁判所の​判決​一つではい​明日から​犯罪です

なんで​言われたら​たまった​もんじゃないですし、​そう​言う​流れで​ Web 事業が​規制されるんだと​したら、

法令遵守の​コンプライアンスの​観点から​ 無料広告モデルの​事業は​潰さなきゃならなくなる

ので、​流石に​そう​言う​こと​やってられないでしょ……と​言うのが​(2)の​視点からの​問題意識です。

あと​(3)に​ついては​意見書の​方にも​書いていますが、​今回の​ coinhive 事件の​様に、​ ブラウザの​ Sandbox 下に​あるなどの​それ単体では​悪意の​無い​プログラム が、​ 不正指令電磁的記録物と​勝手に​解釈され、​かつ Wizard Bible 事件とか、​ あるいは​アラートループ事件みたいなのと​併せて​解釈を​すれば、

特に​害は​ないけど​ 単に​それっぽく​見える​プログラムを​書いたから​有罪

と​言うことに​なりかねません。

そして​そう​言う​開発者を​誰であろうと​犯罪者予備軍と​して​扱う​様な​事が、​ 仮に​立て​続けに​起きうる​状態を​放置すれば、​昨今始まり​つつある​プログラミング教育が、

プログラミング教育って​子供たちを​押し​並べて​犯罪者予備軍に​する​教育 だよね

と​言う​事に​なりかねないでしょ、と​言うのが​最後の​問題意識ですね。​はい。

ちなみに

今回の​意見書の​なかでは​特に​ coinhive の​是非に​ついては​触れなかったんですが、​ これに​ついては​それを​どう​判断するかは​裁判所が​やる​ことであって、​ 自分が​どう​こう​言う​問題ではない、と​思っていたので​特には​書きませんでした。

また​自分と​しては​被告人と​なった​モロさんの​ coinhive の​提供方​法は​お行儀が​悪い​行為だった、​ とは​感じてはいますが、​しかし​だからと​言って​ この​ケースで​刑事罰を​受ける​いわれは​ない​ し、​ 明かに​法の​乱用でしょコレ と​言うのが、​自分の​中での​ coinhive 事件への​正直な​ところです。

あと​今回の​高裁判決で​示された​基準に​ついては、​明かに​ Web 広告事業を​殺しに​来てる​ と​感じているし、​ 下手に​ Web 広告が​死ぬと​ Web に​残るのは、

  1. 伊達や​狂酔で​無償公開されている​コンテンツ
  2. 企業などの​広報目的の​無償コンテンツ
  3. あとは​カネを​払わないと​見れないか​使えない​サービス

ぐらいなんじゃね?​ と​思ってるのも​今回意見書を​提出するに​至った​理由の​一つでは​あります。

以上

と​言う​ことで​ coinhive 事件に​関して​自分が​出来る​ことの​範囲で​やった​ことは​上記の​様な​感じでした。

あとは​まぁ​最近の​調子ですが、​自分の​状態と​しては​ここの​ところ​季節が​木の​芽時な​影響なのか、​ 精神が​死に​なっている​ことが​多く、​最近も​精神科への​通院を​一度​早めて​薬を​増やして​もらったばかりなので、​ あんまり​精力的に​開発活動が​出来てません。

と​言うか​この​ WebSite も​ Google Firebase で​ 作り直して​も​う​ちょっと​こう​コンテンツを​更新し易くしたい、​ と​言うのも​あるんですが、​あんまり​具体的には​作業が​出来て​ないんですよねぇ。​ 本当、​なんとか​ならんものか。

ま、​そんな​感じで​体調に​関しては​あんまりままならない​感じなんですが、​ 今回は​ coinhive 事件への​意見書を​真面目に​書いて​提出したよ、​と​言う​話でした。​はい。

にゃるら(カラクリスタ)

『輝かしい青春』なんて失かった人。
次に備えて待機中。

今は趣味でプログラミングをして
生活しています。