coinhive 事件に関連して日本ハッカー協会が募集していた事件への意見書を提出しました

とりあえず、自分が書いた意見書は、

【寄稿】コインハイブ事件 意見書ご協力のお願い - 一般社団法人日本ハッカー協会

コインハイブ事件弁護団 主任弁護人 平野敬 (電羊法律事務所) 裁判の現状 報道でご存知の方も多いと思いますが、2020年2月7日、東京高等...

https://www.hacker.or.jp/coinhiveopinion/

でも読めるほか、私が管理する下記の URL でも閲覧できます:

カラクリスタ・ノート - coinhive 事件への意見書

この意見書について この意見書は coinhive 事件に関連して、日本ハッカー協会が募集していた、 【寄稿】コインハイブ事件 意見書ご協力...

https://the.kalaclista.com/notes/coinhive事件への意見書/

そもそも何故、私は意見書を書いたか

これについては基本的に、私の諸事情を鑑みて、

金は出せないが文章なら出せる

と判断したためなのと、あと今回の coinhive 事件で下された不正指令電磁的記録の要件を用いれば、 Whataboutisum(そっちこそどうなんだ主義)を使うまでもなく、

  • Google Adsense を含めた自動配信広告
  • Google Analytics を始めとする解析ソフトウェア

を利用することが、

opt-inで利用しなければ 原則として犯罪

と言われていると解せるに等しい内容だったからです

また昨今の不正指令電磁的記録に関する罪の杜撰な乱用具合からしれみれば、 それ以外にも悪影響あるよねーと言うことも今回の意見書の提出に繋がりました。

coinhive 事件への自分が持っている懸念について

自分が持っている懸念については、上記リンク先の意見書を読んでくれーと言う感じなのですが、 一応ここでも要点に触れておくと、これは次の通りになります:

  1. coinhive 事件の高裁理論で自動配信広告やアクセス解析の提供を違法化できる
  2. 自動配信広告やアクセス解析の提供を違法化できるとWeb事業が死ぬ
  3. さらにcoinhive 事件と他の事件を組合せるとプログラミング教育が死ぬ

まず(1)について、coinhive 事件での高裁判決では、

  • coinhive は社会的に容認されていない
  • coinhive を拒否できず賛否両論を認識してなお提供していた
  • coinhive の利益は掲載者だけに与えられるものだった

と言う辺りを有罪の根拠にされていました。

それでこの解釈基準自体、自分としてはWeb広告の内、 特に Google Adsese の類いの自動配信広告は思いっきり該当すると考えているんですが、 それは何故かと言うと、これは次の様な根拠に依ります:

  1. Google Adsense などの自動配信広告が社会的に許容されている事実はない
    • 根拠1: だったら何故広告ブロッカーが増えて来てるのか説明が付かない
    • 根拠2: ターゲティング広告技術は GDPR などで規制されつつある
    • 根拠3: Web 閲覧者は広告などを見るために WebSite を訪れたのではない
  2. Google Adsense などのターゲティング技術は賛否両論が広く認識されている
    • 根拠1: 仮に賛否両論が無かったとしたらなんで GDPR が出来たのか
    • 根拠2: GDPR 対応の WebSite があること自体、自身の非を認識している
    • 根拠3: Web 開発者なら上記は知ってるよね?と言われたら否定できない
  3. Google Adsense は主に Web 事業者側だけの収益化に使われる
    • 根拠1: まず閲覧者側に収益を分配しますとか無いですよね
    • 根拠2: Web 広告って事業者側の収益化に使われるのが主じゃないですか
    • 根拠3: 事業者側に利益があるだけで閲覧者側には利益無いですよね?

つまるところ、私は高裁判決において coinhive を不正電磁的記録物と見なした理論については、 当然の様に Google Adsense の様なターゲティング広告は該当する と考えていて、 もし仮にこれらが違法行為として取り締られるのであれば、 もちろん それらの収益を依存する Web メディア は、 犯罪行為で収益を上げる、犯罪者集団になってしまいますよね? と言うことを問題意識として持っています。

また Web広告自体をそもそも許容するべきではない と言う意見もあるかと思いますし、 それに対してある程度の理解は示せます。

しかしだからと言って、

無料広告モデル として 広く使われているビジネス手法

を、

明確な規制法もなく、ただ裁判所の判決一つではい明日から犯罪です

なんで言われたらたまったもんじゃないですし、そう言う流れで Web事業が規制されるんだとしたら、

法令遵守のコンプライアンスの観点から 無料広告モデルの事業は潰さなきゃならなくなる

ので、流石にそう言うことやってられないでしょ……と言うのが(2)の視点からの問題意識です。

あと(3)については意見書の方にも書いていますが、今回の coinhive 事件の様に、 ブラウザの Sandbox 下にあるなどのそれ単体では悪意の無いプログラム が、 不正指令電磁的記録物と勝手に解釈され、かつ Wizard Bible 事件とか、 あるいはアラートループ事件みたいなのと併せて解釈をすれば、

特に害はないけど 単にそれっぽく見えるプログラムを書いたから有罪

と言うことになりかねません。

そしてそう言う開発者を誰であろうと犯罪者予備軍として扱う様な事が、 仮に立て続けに起きうる状態を放置すれば、昨今始まりつつあるプログラミング教育が、

プログラミング教育って子供たちを押し並べて犯罪者予備軍にする教育 だよね

と言う事になりかねないでしょ、と言うのが最後の問題意識ですね。はい。

ちなみに

今回の意見書のなかでは特に coinhive の是非については触れなかったんですが、 これについてはそれをどう判断するかは裁判所がやることであって、 自分がどうこう言う問題ではない、と思っていたので特には書きませんでした。

また自分としては被告人となったモロさんの coinhive の提供方法はお行儀が悪い行為だった、 とは感じてはいますが、しかしだからと言って このケースで刑事罰を受けるいわれはない し、 明かに法の乱用でしょコレ と言うのが、自分の中での coinhive 事件への正直なところです。

あと今回の高裁判決で示された基準については、明かに Web広告事業を殺しに来てる と感じているし、 下手に Web広告が死ぬと Web に残るのは、

  1. 伊達や狂酔で無償公開されているコンテンツ
  2. 企業などの広報目的の無償コンテンツ
  3. あとはカネを払わないと見れないか使えないサービス

ぐらいなんじゃね? と思ってるのも今回意見書を提出するに至った理由の一つではあります。

以上

と言うことで coinhive 事件に関して自分が出来ることの範囲でやったことは上記の様な感じでした。

あとはまぁ最近の調子ですが、自分の状態としてはここのところ季節が木の芽時な影響なのか、 精神が死になっていることが多く、最近も精神科への通院を一度早めて薬を増やしてもらったばかりなので、 あんまり精力的に開発活動が出来てません。

と言うかこの WebSite も Google Firebase で 作り直してもうちょっとこうコンテンツを更新し易くしたい、 と言うのもあるんですが、あんまり具体的には作業が出来てないんですよねぇ。 本当、なんとかならんものか。

ま、そんな感じで体調に関してはあんまりままならない感じなんですが、 今回は coinhive 事件への意見書を真面目に書いて提出したよ、と言う話でした。はい。

nyarla が大体

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