主に、
女性エンジニアが少ないとやる気が出ない問題で批判 女性エンジニア少ない問題を解決する話、の何が問題なのか
の辺りについての話です。
話の前提
個人的には、今回騒動となった案件の講演]については、
アッ……それ、今も昔も 本来なら やったらアカンやつ ……
と言う認識ではいますが、そもそもの話 僕はその話の場に居合わせた訳でもなく 、 また僕が得た情報もネット経由で得た情報しかないので、どういう文脈でどのような印象を与える話であったかについては知り様が有りません。
そのため、コトの事案を正確には把握し切ってはいないと言う意味では部外者なのですが、 今回の件においてもハラスメントになり得る行為を行なってしまった方に、 正義感に基づくハラスメント を行なっている人間が居るので、 今回はその辺りを書きたいと思います。
人間はハラスメントをやらかした人間にハラスメントをするのを止めろ
まぁ先にも述べた様に、今回の件で問題となった講演は明確にセクシャルハラスメントに属する類いの話であり、 それ自体が問題視される事については特に疑問を挟む事はないのですが、しかしだからと言って今回の様にやらかしてしまった方に対して、
ソフトウェアエンジニア辞めろ
とか、
こう言う人間は、界隈から排除されてしかるべきだ
と、 暴言を吐き 、あまつさえ 失敗を行ってしまった人間の一発退場を求める という主張は、 僕は容認出来ません 。
そもそも、こう言った セクシャルハラスメントが問題視される本来の理由 は、 そのハラスメントの対象となってしまった方々の尊厳を損ない、それ故に強い不快感や自己否定感を与えるから 、と言うのが本来の筋です。
そのため、 セクシャルハラスメントも含め、あらゆるハラスメント行為が問題となる のは、 人間の尊厳を損なうから であり、それ故に、コミュニティとして、ハラスメント行為を我々は容認しない、と厳格に主張する 、 と言うのは大切になってくると思います。
しかしだからと言って、 ハラスメントを行なってしまった人間 に対し、 そのやらかした方の尊厳を損なう様なハラスメント的な対応をし返す 、という事は 行なっても良い事なのでしょうか?
この辺り、僕は 良く良く考え欲しいと願っては居る のですが、 今回の事案の様に一度の不適切な行為に対し、 寄って集って炎上させて ネットで糾弾と言う私刑を行う、 というのは セクシャルハラスメントと同等 か それ以上に悪質なハラスメントではないのか? と僕は思います。
あなたのその強い怒りや憤りは免罪符ではない
そもそも、僕はこの手の ハラスメント行為 を受けられてしまった方々が、 その行為を行なった人間に強い怒りやあるいは憤りを覚える、 というのは 否定するつもりもないし、それを抑圧する様な事は極力慎しむべきだ 、と考えている人間です。
しかしだからと言って、 その強い怒りや憤りに基づき、相手を徹底的に痛め付けても良いモノなのか? とも、こういった話を聞く度に毎回思います。
と言うのも先にも述べていますが ハラスメントが問題となるのは、そのハラスメントが人間の尊厳を損なうから である以上、 その事を本当に考えているのであれば、 ハラスメントにハラスメントを仕返す と言う様は行動は本来であれば慎しむべき行動です。
それは何故かと言えば、 ハラスメントを行うな! と言っている自分が、 そのハラスメントを行なってしまった人間 に対して ハラスメントを行なっている、 と言う 自己の主張と矛盾した行動である であるからです。
また、もし ハラスメントを行なった人間には何をしても良い 、と言った様な考えを持っているのであれば、 それは ハラスメントを恣意的に選別し、選別されなかったハラスメントは許容しても良い と言った、 間違ったメッセージを発する行動ではないのか 、と僕は考えています。
また、 アンチハラスメントポリシー を持っている コミュニティ なり 個人 なりが、 あらゆるハラスメントを容認しない、と言う姿勢を持つ事は大切な事だ と思いますが、 にも関わらず、 ハラスメントを恣意的に選別する と言った様な行為を取ってしまうと、 結局それは 形だけのアンチハラスメントポリシー であり、 実態としてはただの ハラスメント再生産ポリシー_ であったり、 あるいは 気に入らない人間の粛清ポリシー_ と成りかねない、と僕は危惧しています。
以上
そもそも今回のコトの事案自体、やらかしてしまった方は若いソフトウェアエンジニアであり、 おそらく そういった行為 が セクシャルハラスメントに成り得るという認識を得るまでの人生経験が無かった が故に、 そういう発表を行なってしまったと言う 不幸が重なった事案 だと僕は思います。
が、それを差し引かずとも、ハラスメント行為に対して行なって良い のは 強い怒りや強い憤りの表明まで だ、と僕は考えています。
また、ハラスメントが起きてしまった際に、 自身の行なってしまった行為に対して、何が問題であったかを考えさせる事も無く 、 ただそういった人間は排除すれば良い 、と言う考え方は 真にハラスメントを抑止する、という事を考えておらず 、 ただ 臭いモノには蓋をする が如く、 自分にとって都合が悪い人間を排除して粛清の悦に入る 、 という考え方そのものだと僕は思うし、 そういう考え方に対してこそ、僕は強い憤りを覚えます 。
本当、こう言う類いの話を聴く度に、毎回毎回、
その正義感 を振りかざして、他人を殴るのは止めろ
と、思う様な事が毎度の如くあるので、そう言った意味では、
アホか!人間どもはいい加減にしろや!
と、今回もまた思ってます。
本当、この辺りは いい加減、止めに欲しいです 。