のではないか、と思ったんで、とりあえず書く。
これはどういう事か
哀しい事に、我らが N 高等学校の理事である、 川上量生 氏は、その著作だったり、あるいはインタービューだったりで、
中国のインターネット政策 (つまり金盾) は正しい
と言う様な事をおっしゃっておられる訳ですが、確かに、今の中国の様に、
- これからも[経済発展 や、 IT 産業 のさらなる発展が見込まれる]
- 中国共産党 の 一党独裁 を揺ぎないモノとすることが出来る
- 便利だったら、多少 ディストピア でも良い、という印象を受ける中国の方々の精神性
と言う前提に立つんであれば、
経済発展や IT 技術の発展が見込まれる 、 ディストピア国家のインターネット政策としては正しい
と、僕も思います。
ただ、 日本の場合だとどうか 、っていうと、
- 経済発展なんて望めるハズもなく、 IT 産業のさらなる発展も、それほど見込めない
- 仮にも 民主主義 の 法治国家 であり、 インターネットそのものが国難になるほどではない
- そもそも、年金とかですらロクに IT 機器を使って運用出来てないのに、便利な ディストピア とか作れるの?
と、僕は思うワケなんですが、そもそも、日本の社会は今、 [無子超高齢化社会 ]になりつつあるし、また、政治の流れも 民主主義 な 法治国家 としては三流、かつ、 IT 産業 ですら真っ当に育てられない、と言った様な、かなりの 斜陽国家 ぶりになっている、と言うのが実態だろう、と僕は考えているのですが、そういった条件の中で、
日本版 GFW (中国の金盾)を作るのは正しいか?
と、考えると、 人口が増えず 、 IT 産業の発展も見込めない のにも関わらず、 中国の金盾みたいなのを作るのが正しい 、とは、ちょっと言えないと思うんですよね。
って言うかですよ、現状、 中国のインターネットが金盾が有るにも関わらず、海外の IT 企業などが参入している のって、 中国が、 これからも経済発展や、IT 産業の発展が見込める、有力な市場であるから 、であって、それと同じ様な事を、
[斜陽国家 ]で、 これからも衰退する事が見込まれる日本が行なった場合 、海外資本の IT 産業などは、
日本市場への参入は、もう割に合わない。故に総撤退します。バイバイ
となるのが、 目に見えてると思うんですよ 。
そして、そういう流れが、 Microsoft や Apple 、 Google などと言った、 IT 産業の基幹となる商用 OS を提供する企業が追従してしまった時 、それまで国内で使っていた、 [Windows や macOS 、 iOS や Android と言った機器の面倒、誰が見てくれるんですか?]
真面目な話、 日本市場から [Microsoft や Apple が完全撤退すれば、 IT 産業 が云々の前に、 日本の IT 機器が総倒れ になる]、と僕は考えていて、これは何故かっていうと、今現在の日本ですら、
日本だけの力で、すべてを賄う事が出来る、国産の OS は存在しない
と言う 現実があるから です。
そして、現実として、 Android なんかだと、 Google の最新の Reference 端末が日本で提供されない 、と言った事が、現実に起きていて、 開発者は皆困っている ワケで、そういった商用 OS への、日本語でアクセスできる環境が失われた時、代用として使えるのは、コミュニティが開発している Linux 系 Distro や、あるいは BSD 系 Distro だけになるんですが、もし仮に、そういったリソースへのアクセスが、日本版 GFW でアクセス困難になっていれば、もうこれはどうしようもない、という事になりかねないと僕は思っています。
また、そもそも IT 産業を支えている Linux 系 Distro や BSD 系 Distro といった、サーバで扱われる OS が、 セキュリティアップデートも含む、OS へのアップデートを海外から取って来れなくなれば 、 日本のサーバサイドのシステムは、脆弱性すらロクに修正出来ない、と言った事態になる 訳で、そういった意味でも、一方のモノだけに都合の良い GFW みたいなモノは、作るのは割に合わないのでは?と僕は考えています。
逆に言えば、中国なんかは、最悪、 Microsoft や Apple 、 Google が 中国市場 から締め出されたとしても、 中国国内の開発者だけで、多分、OS とか見繕う事が出来るぐらいには層が厚い だろうし、また、中国発の Linux Distro とか、あるいは、Android の China ROM を作るぐらいの能力は有る訳で、そう言った意味でも、 日本では中国の様な、 GFW を運用、維持できるほどの国力はない だろう、と僕は思っています。はい。
日本市場は縮む一方なのに、日本から世界へ、を出来なくしてどうするのか
先にも述べた様に、今の日本の国力だけでは、日本版 GFW で世界のインターネットから孤立した場合に、国内の IT 基盤を維持できなくなる可能性が高い、と言ってきた訳なんですが、日本版 GFW で、
インターネットに壁ができ、国境を越えて情報にアクセスする
という行為が規制されたとなると、
日本国内から、世界のインターネットに向けてビジネスする
と言うのが、 特に個人開発者のレベルでは、かなり厳しくなるのではないか と思っています。
と言うのも、先程の話とも被る部分が有るんですが、日本からの世界への情報アクセスが遮断されるのでれば、その逆も然り、という話で、日本版 GFW によって、 日本国内に居ながらにして、世界市場を相手にする 、と言った行動が、 個人レベルでどうこうできるモノでなくなるのではないか 、と言うのが僕の根拠です。
それで、もし仮に、これが 日本の内需だけで、国内の産業を潤す事が出来るんであれば 、それを保護する、という意味で、日本版 GFW を作る、と言った根拠になりうるかな、とも思うんですが、実際問題、 日本市場の内需なんて、これからの人口減少によりどんどん縮んで行く 、というのが当然の流れになっているし、実際、Android 端末の例を見るに、 海外市場からも、日本市場が相手にされなくなる 、といった流れも、これから起きてくる、と、当然考えられるワケです。
それなのに、
インターネットに国境を設けて、国内外の情報を自由に行き来できなくする
と言うのは、
それ、 自分たちの国の首が締まるだけなんでは……?
と僕は思います。
以上
……と、とりあえずモリモリと自分の考えを書いてきたワケなんだけれども、 中国が GFW (金盾) を使う前提条件 と、 日本でそれに相当する GFW を作る際の前提条件 って、 どう考えても違いすぎる し、また今回、こういう事を考える切っ掛けとなった、 日本の海賊版 Web サイトのブロッキング要請 、とかも、 無理を押せば道理が引っ込む、を地で行くんであれば、法律とか憲法とか存在する意味がない し、 そう言う事を乱発するんであれば 、それはもう、 ただの[無法国家 でしかない]、と僕は思ってます。
まったく、 立憲主義 ・ 法治主義 ・ 民主主義 を破壊したがる今の政権って、クーデターか何かでも起こしたいんですかね。本当、どういう考えになれば、ああ言う事に流れるのか、理解に苦しむ。