カラクリスタ

「輝かしい青春」なんて失かった人のブログ

日本の出版社の経営者はビジネスモデルの転換すら出来ないのだろうか?

主に、

「海賊版サイトは潰すのではなく競争して勝つべき」 マンガ『やれたかも委員会』の作者、吉田貴司さんは訴える

を読んで思った感想です。

何故、僕はタイトルの様なコトを思ったか

以前……というか随分と前に、僕は人々が 海賊版 に手を出す理由として、

という、 三つの理由 があると思っている、という話を書いていて、これは今現在でも通じる法則ではないか、と個人的には思っていたりするのだけれども、それはそれとして、最近の 出版不況 だったり、あるいは、 出版業界斜陽化 に対して思うのは、現状を招いている原因は、海賊版が云々というよりも、個人的には、

紙の本 という ビジネスモデルもう破綻しているのではないか?

と思っていたりする。

と言うのも、今現在の僕は、 紙の本 をほとんど買わなくなり、また、稀に紙の本を買っても、それをほとんど読まない、という状態が続いているのだけれども、しかしだからと言って、

文章やテキストをまったく読まなくなったか?

と問われたら、 それは否 であり、僕がテキストを読まないという日はほぼなく、むしろ毎日に様に RSS Reader ( Feedpon + Feedly ) で記事を購読して読んでいたりします。

それで、僕は RSS Reader を使ってブログ等を購読しているし、僕の情報収集のスタイルでは、 SmartNews とか Gunosy とかは、 UI が破綻してしまって目を通せたモノでない (タブを大量に追加しすぎる)、という感じになるので、特にその手のアプリは使ってないんだけど、

ちょろちょろっとニュースに目を通せれば、それでお k

みたいな層は、そういうアプリを使って、ニュースなどのテキストに目を通している訳です。

つまり、紙の本が売れない、というのは、海賊版の打撃も多少は有るのだろうけれども、

(ネットなどで)文章を読む層コンテンツを届けられていない

という意味では、 コンテンツを届ける手段 として、 紙の本は適切ではない 、と考えられる訳です。

無論、 学校の教科書 の様に、インターネット等の通信インフラ整っていない環境でも、そのコンテンツが利用出来なければならない、と言った場合などは、紙の本の方が適切な場面も少なからず有るとは思うんですが、でもだからと言って、 娯楽関係の漫画や小説 といった、 [コンテンツ がメインとなる様な類いモノ] が、 常に紙の書籍で存在し、かつ、それにずっと拘らなければならない 、なんて 前提は無く 、むしろ、 ネットで気軽に読めた方 が、 コンテンツを届ける 、という意味では、 その作品のファンを増やす、という意味では有効な手段である ハズです。

とは言え、

ネットで手軽に作品を読める様にした場合収益の上げ方はどうするんだ?

という問題が有るワケですが、僕としては、これは次の様な手段が有るのではないか、と思っています。

フィクション等の娯楽本は、ファン活動から収益を上げたら良い

それで、これはどちらかと言えば、僕個人の考えではありますが、特に日本の場合、 フィクション などの 娯楽本 には、上手く当ったりすると、必ずと言って良いほど、非公式な同人誌が作られたりします。

そして、そう言った ファン活動としての同人誌など大量に出回っている今日それをビジネスに利用しない手段はない 、と個人的には考えていて、

有償ファンクラブを用意 し、 会員には非公式同人を無保証で出す権利を付ける

と言うな様な、 ビジネスモデル の転換とかやったら良いのに……と、個人的には思っています。

無論、これはある程度リスクが有る行為……というかビジネスモデルな訳ですが、

  • 最初から最後までその中身については公式は無保証であるコトを明示させる
  • 公式グッズ商法をしたい場合などは、規約などで、発表できる媒体を制限する
  • 有償媒体を頒布する際には、必ずファンクラブ会員であり続ける事を規約化する

と言った様な条件付けで、ある程度はリスクは軽減できると思われるし、また、その作品のファンとしては、非公式な同人誌が原因で、公式とトラブルを起こすリスクを下げられ、また、ファンクラブを通して、直接その作家を応援できる、と言った様なメリットもある、と僕は考えています。

ただ、とは言え、こういったビジネスモデル興すには、無論、作家の同意が必要だし、作家の方々の考え方によっては、 それは受け入れ難い と言った様な方もいらっしゃるかとも思います。

また、この 書籍で[ファンクラブ商法 ] という手段は、 そもそも[固定ファン が居るのか] 、といった様な問題や、 それってフィクションにしか適用できへんやんけ 、などと言った問題も有るには有ると考えられますが、しかし、だからといって、 紙の本というビジネスモデルが破綻しかかっている現状 に対し、何も手を打たないのであれば、最終的には、紙の本が完全に死んだ暁には、

私は紙の本に依存して、会社を経営破綻させた無能な経営者です

ってなるのが目に見えているワケで、そう言った意味でも、

出版という業を、紙の本抜きでどうにかする事を考え抜く

というのが、まぁ重要になってくるのではないかなぁ、と僕は考えています。

とにかく紙の本が売れないなら、紙の本から離れろ!

まぁ、僕がこういう事を考えている、とか言って、ブログにこういう話を書いていたとしても、所詮は、

ビジネス経営の経験もした事もない小僧が、何を言っとるんだ?

と思われるのがオチだとは思っていたりしますが、紙の本で商売、といったビジネスに限らず、

環境の変化で成立しなくなりつつあるビジネス が、 本当に成すべきコトは何か?

という事を考えられないのであれば、それはもう 経営者 としてやって行けない、 ダメな経営者 だろう、と僕は思うし、また、そこから脱却出来ないのであれば、それはもう、 会社とか経営は潰れるしか道は残されない 、と僕は思います。

また、今回は紙の本のビジネス利用について、色々と云々書いて来ましたが、別にこれ、 紙の本を使ったビジネスがダメになりかけているという話 なだけで、 紙の本の中身そのものがダメになりかけているという話では無く紙の本という媒体のビジネス利用が成立し辛くなっている というだけの話だ、と言う事を意識するのは大事かと思っています。

と言うのも、 紙の本の中身たる、 コンテンツがダメになっているのであれば、そもそも海賊版なんで出て来ようが無く海賊版サイトなんかも、紙の本のスキャンとかを、どこからか持ってきてバラ撒く、みたいな事をして、集客して広告で稼ぐ、という事の対象に、紙の本の中身なんて選ばない、と僕は思っています。

もっとも、コンテンツが完全デジタル化されたとするならば、今度こそ本当に海賊版が脅威となり得る、とも思わなくも無いんですが、その時はその時で、

コンテンツ提供だけから金を取るのではなく、コンテンツで得られる体験から金を取る

と言う方向で、なんとか出来るのではないか、と僕は考えています。はい。

僕が電子書籍も買わない理由

以下おまけ的な話。

この記事の最初の方で、僕は 紙の書籍を買わなくなり、また、買ってもほぼ読まない様な状態が続いている 、という話をしていましたが、これは、 別に紙の本だけではなく、電子書籍も同様の状態が続いています

と言うのも、僕は最初の内には AmazonKindle 用の電子書籍とか買っていましたが、ハッキリ言って Kindle に限らず、 今現在 (2018 年 2 月現在)の電子書籍って、高価な電子貸本に過ぎず、本の中身を読む権利だけが貸し与えらていて、所有している訳ではない 、という実態に引っ掛かりがあって、電子書籍を購入する動機が見い出せなくなっています。

無論、一部の DRM フリーな電子書籍や、あるいは、 DRM 解除といった手段を取れば、そういった様な電子貸本状態を回避できる、とは分かってたりはしますが、DRM 解除 って適法が違法かが、ケースバイケースで変ってくるし、また、そういう適法かどうかも分からない様な鼬ごっこの状況に依存して電子書籍を読む、と言う行為を するつもりがない ため、

なんか電子書籍ってあんまり買う気が出てこないよなぁ

と思ってます。

と言うか、 電子書籍を電子貸本という状態に留めておく のであれば、 電子貸本らしく、購読モデルで読み放題とか出してくれよ…… と思うし、かといって、 紙の本と同等な値段で、いつ読めなくなるかも分かったもんじゃない電子書籍にカネ払えって言うなら

分かった。 その本、買うのも読むの諦めるわ

と言うのが、僕の回答になるし、海賊版とかに手を出すぐらいなら、その本に興味を持たなかったコトにする方が、心理的にも倫理的にもコストが低いので、まぁ、多くの真っ当な方々も似たような状態になるのかな、なんて思ってます。


と言う事で、久しぶりのブログエントリでした。

なんか、言いたい放題で書いたら、 4000 字越えしていたでござる……