インターネットの誹謗中傷対策はどうあるべきか
読了まで:約3分
今日、 [[Reeder for Mac]] で ニュースとか読んでた時に、
と言う記事を見掛けて、
うーん、 [[ネットでの誹謗中傷対策]] ってどうすれば良いんだろうね?
と思ったので、その辺りの話を自分の中で整理する意味も含めて書いてみたいと思います。
[誹謗中傷対策 に [[ネット実名制度]] は [[意味がない]] ]
まず、最初に思ったのが、この手の問題でよく提起されがちな、
[[誹謗中傷対策]] として、ネットを実名制にすれば良い
と言われる事を思い出して、実際に調べたんだけども、このネット実名制度、海を挟んだ隣国の韓国で実際に行われていたらしいものの、
という Techcrunch の 2012 年の記事でも書かれている様に、
誹謗中傷を減らす
という効果は、ほぼ誤差みたいな範囲でしか影響が無かったらしい。それで、この手のネット実名制度、実際にこれを日本で運用しようと思うと、
日本語で情報発信出来る Web サービスすべてに適用する事
が、原則となると思うんだけど、元々の効果が無い上に、
さらに、
海外に拠点を持ち、かつ海外にサーバも有るインターネット事業者
に対して強制力も無いし、また、
インターネット上で、無闇やたらと個人情報を管理しまくる
という状況が生まれてしまい、かえって 別件である個人情報流出のリスクが上がりまくる ので、まあ、どう考えても悪手だよなぁ、と個人的には思います。
情報開示の法的義務化と手続きの簡易化はどうか
と、思ったんだけど、まーこれもこれで難しくて、誹謗中傷だけに限らず、現状、インターネット事業者が下手に情報開示すると、情報開示された側に訴えられる事になるし、しかしだからと言って下手に情報開示しないと、今度は情報請求側に訴えられるので、まあ、インターネット事業者は板挟みになる訳ですよ。
で、さらに言えば、情報開示請求は、基本、
インターネット事業者のログ
を元に情報開示請求すると思うんですが、このログ、情報開示請求した側とログ管理者が同一の場合、そのログは本当に存在したのか、という、真偽の問題にもなって来たりします。と言うのも、そのサービスの提供元の構成にも依るけど、 ログに対して管理者権限とか書き込み権限持っている場合 、 いくらでも改竄出来ちゃう からね。
なので、そのログ信用出来るか問題とか、あと誹謗中傷かどうかがの判断が難しいエッジケースも有るから、ISP とかネット事業者は情報開示を渋る、と僕は思ってるんですが、まあこれについては、法的な制度として、
- 情報開示請求の手続きを法律で定めた上で、開示請求の目的をなんらかの形で保証し
- 開示請求側に、開示されたログの目的外使用を禁じた上で
- 原則として事業者側に開示義務を課す + 応じなかった場合にはなんらかの処罰
と言うのがバランス取れてるかなぁ、なんて思います。
ただまぁこの 3 項目の案は、現行の法律でも似たような制度が有るとは思うし、また、たぶん使い勝手が良くないか、あるいは、事業者側が制度を良く理解してないとかで、まあ、誹謗中傷のやり逃げが有るんだろうなぁ、とは思ってはいます。
事業者側が第三者への誹謗中傷に対して出来る事
まあ、真面目にサービスを運営しているネット事業者なら、 [[利用規約]] か何かで [[誹謗中傷]] やら [[ハラスメント]] を禁じ、それらが伴う利用者を見付け次第、 [[アカウント停止]] などの厳しい処置をする、と言う運用で、ある程度は第三者への誹謗中傷等を抑止出来るんじゃないかなぁ、とは思います。
ただし、そういう、
[[利用者の排除]]
という手段は、あまりに乱発すると、サービス自体の信頼性を問われる事になってくるし、また利用者に対して不必要な反発を招く事にも繋がってくるので、その辺り難しいですけどね。
あと考えられる対策としては、 Web サービスへの登録時の Email Address を 復号困難な Hash 化 しておき、 誹謗中傷やハラスメント等の悪質な行動を見付け次第 、 そのアカウントを停止 + ブラックリストへの登録 を行った上で、 そのブラックリストを共有出来る形で公開する 、という手段も取れるかなぁ、なんて思います。
以上
まあ、色々考えてみたけど、この手の対策に [[銀の弾丸]] って無さそうですね。はい。