リスクではない。デンジャーだ!
本日のポエム。
と言うか、今日いつもの病院行った帰りに寄った本屋で、川上量生氏の著書である、
を買って、帰りの電車の中で途中 (とは言ってもかなり最初の方) まで読んでいて、 その著書の中で、
ネット実名制が云々
って話を少しだけ見かけて、
そう言えば昔、ネット実名制が云々が話題に成ってたコトがあったよなー
と、思い返して、その時に、
あれ、ネット実名制って、リスクというより危険しか産まないんじゃね?
と思ったので、今日はその辺り、自分の考えを整理する意味でも書きます。
1. ネット実名制は技術的には可能である
まず、最初に言っておくと。
ネット実名制
は、今現在の日本の IT 技術力で可能か? と問われると、 まあコスト面では課題は有るだろうけど、 実際には可能である 、と僕は思う。
というのも、ぶっちゃけ技術的な話をすれば、
- 日本のインターネットを IPv6 に強制的に移行させ
- その上で国民、若しくは情報機器端末一個一個に IPv6 アドレスを割り当て
- それに氏名などの個人情報を紐付けする
という感じなコトを行なえば、まあ 技術的には可能 だと思う。 IPv6 って結構名前空間広いので、日本国の IPv6 割り合てだけで多分事足りるだろうし。
ただこれ、勘の良い人だと気付くと思うけど、
国民一人一人に、一意な IPv6 アドレスを割り当てる
っていうの、国民番号制度とかでも言われている、
- プライバシーと名寄せの問題
が、モロに直撃するし、あと、国民一人一人に一意な ID、 しかもインターネット上では公開情報である IPv6 を割り当てるのは、
リスク を超えて 危険(デンジャー) でしかない
としか思えないので、その辺り次の項目で書きます。
2. 一意な公開情報 (IPv6 address) を、国民一人一人に割り当ててしまうと、プライバシーが形象崩壊する
まあ、今までに語られて来た、
- ネット実名制
なるモノが、
- 情報発信者の実名制度なのか
- それとも閲覧する側も含めた制度なのか
- また、どの範囲で個人情報にアクセス出来るのか
で、危険度は変わってくると思うんだけど、僕が思うに、(1)であれ(2)であれ、
ネットを使うと一般的な住所氏名などの個人情報を裏で名寄せできる
みたいなネット実名制は、
プライバシーの形象崩壊を招く
と僕は思います。
というのも、昔みたいに Twitter とかブログとかそういう類のモノが無く、 一部の物好きだけがネットで情報配信している状況ならともかく、 今みたいに Twitter や Facebook を始めとした SNS で、 誰でも簡単にネットで情報発信できる状態で、
情報発信者は一般的な氏名住所等の情報を提供しなければならない
みたいな ネット実名制 が出来てしまうと、これはもう、 今でさえ行なおうと思えば出来る ネットストーカー という行為を、
強制的に公開されうる情報を使ってやりたい放題 が出来てしまうし、
かといって、
閲覧者の個人情報も裸にできる
なんて制度が出来てしまったら、こっちはこっちで、 悪い人たち が、
自分の(罠)サイトにアクセスしてきた人達の情報 をうまい具合いに融通して、
コッソリ名寄せして、悪いことをやりたい放題が出来てしまう 、
という危険が有ると僕は思う。
つか、
閲覧者の個人情報が、閲覧情報の名寄せで判ってしまう
というのは、相当に危険な状態で、これが出来ちゃうと、例えば、
- フィッシングに引っかかった人にまたフィッシングを送るとか
- ワンクリ詐欺とかで、閲覧者の実在の住所に請求書送るとか
- あるいは、違法な情報を載せた罠サイトを海外に用意して、そこにアクセスしたことをネタに 強請る
とか、本当に何でも出来ちゃうワケで、
これは ガチで危険でしかない んじゃね?
と思うし、また、
情報発信者は一般的な氏名住所等の情報を提供しなければならない
みたいな制度で、かつ閲覧する側は匿名で良いみたいな制度だと、 これはこれで、例えば、
- 情報発信している人間が炎上している時に、相手の住居等に押し寄せて恐怖を与える、とか
- あるいは、ターゲットの目のつかない掲示板などで情報交換して、そのターゲットを襲撃する、とか
- もしくは、ストーカー行為を行っている人間が、ネット実名制を悪用して、相手側に襲いかかる、など
と、言った行為ができてしまうので、そんな制度になったら、
違法行為上等
な人たちが、かなり暗躍しやすくなる環境が出来てしまう、と僕は思います。
で、最後に結論。
3. 公開情報となりうる一意な ID 使って個人識別できるのは、裏で名寄せされると大変に危険なので、そもそもそんな制度は作るべきではない!
と、僕は思います。
つーか、最近でも国会で議題に成っていた、
国民番号制度
とかも同じことが言えて、まあ国民に一意な ID が割り振られている状態で、 どこかでその情報が漏れてしまったり、あるいは、 誰かに見返りを払って情報流出させる要員を送りこむ 、 みたいなコトをされてしまうと、まあ、被害はデカいは修復は困難だわで、 ロクな結果にならないと思うので、その辺り、
情報が漏れても大丈夫なように制度設計する
という視点が必要なのかな、と思います。
つか、大体、今の時代、
パスワードとかでも使い回しすんな
って言われている時代に、
国民に一意な ID を振って使い回す
なんて制度は、筋が悪いどころではなくて、
えっと、あのぉ、アンタらセキュリティ対策とかちゃんと真面目に考えてんの?
と、個人的には思うので、頼むからその辺りもうちょっとなんとかしてください、 と思ってます。はい。
というコトで以上
ポエムでした。
大体書くのに一時間ぐらい、文字数にして大体 2800 字ぐらいの文章でした。 まあ 400 字詰め原稿用紙 7 枚ぐらいの文字量ですね。はい。
で、特に話のオチとか無いんですが、今回の結論としては、
ネット実名制度 は 実施の仕方を違える と、 悪い人達が大繁盛する
という感じですかね。
で、こういう制度の悪用は、違法な利用や脱法な利用を法規制しても、
法律違反上等
な方々には通用しないので、まあマジメに法律守ってる人が、 ワリ喰う結果にしかならないのかなぁ、なんて思っています。
ということで本日は以上です。お疲れ様でした。まる