SmartNews が違法とかなんとか言われてる件について、 イマイチスッキリしないので、言いたいコトを書く。
SmartNews の実装の著作権侵害問題の本質
僕は [[前の記事 /post/51791439094]] で、SmartNews についている、 あの全文転載機能は Mobilizer だと書いた。
まあ、 Mobilizer がいかなるモノか、というのは、前回書いた記事、
- [[SmartNews を使ったら逮捕とか言われてて心の底からアホかと思った /post/51791439094]]
に書いたので、ここでは繰り返さないが、
Mobilizer が著作権侵害を孕む、本質的な問題点は、
- _ 第三者の著作物(コンテンツ)_ を
- _ サーバ上に集約_ し
- それを _ 再配信する行為_
が、
今現在の著作権法上 、 _ 著作権侵害という点では真っ黒_
になってしまう、というのがコトの本質である。
僕としては、この、
- 第三者の著作物を
- サーバ上に集約し
- それを再配信する行為
というのは、
- _ 著作権の公正な利用_ である限り
- 原則として _ 著作権を制限しても認めるべき_
と考えている、というのはあらかじめ明言しておく。
SmartNews 問題は、SmartNews だけの問題ではない
はっきりキッパリ正面から堂々と不意打って宣言しておくが、 今回の SmartNews の著作権侵害問題は、
SmartNews だけが該当する という _ 問題ではなく_ 、
先にあげた本質、
- 第三者の著作物を
- サーバ上に集約し
- それを再配信する行為
の用件を満たす、 すべての Web サービスに該当する 。
これはパッと見分かりづらい点もあるので解説すると、 まず最初に、
第三者の著作物
とは、
- サービス運営者でもなく
- サービス利用者でもなく
- サービスと関係ない人々の
- 著作物=コンテンツ
のコトを指す。
そして次に、
サーバ上に集約し
というのは、例えば第三者のコンテンツを、 データベースに保存する、というような行為を指す。
そして最後、
それを再配信する行為
というのは、集めに集めた 第三者のコンテンツ を、
元のコンテンツ管理者以外 が、
そのコンテンツを再配信=再び公開し提供する、 という行為を指す。
即ち、この三つの解説をまとめると、 先にあげた本質、
- 第三者の著作物を
- サーバ上に集約し
- それを再配信する行為
とは、
- サービスの運営者、利用者、とは関係のない人のコンテンツを
- データベースなどに集めて
- それを元の管理者に許可なく、再び公開し提供する
というコトになる。
そしてこの本質を満たす Web サービス、スマートフォンアプリ、 あるいは Web コンテンツ、と言ったモノは、
SmartNews だけ 、 _ ではない_
と言っておく。
SmartNews 問題を本質を満たす他のモノ
上記本質を満たすサービス、というのは、
SmartNews だけではない 、とは言うものの、
じゃあそれって何よ? という話になるので、 次に具体例を上げる。
僕が思いつく限り、上記本質を満たす他のモノは、
- _ Web ベース_ のブログリーダー
- Google リーダー
- Livedoor Reader
- まとめサイト
- Naver まとめ
- 2ch まとめブログ
- 2ch まとめ Wiki
- サーバサイドモビライザー
- Instapaper
- Readability
と言った具体。
若干分かりづらい点もあるかと思うので順に解説すると、
Web ベースのブログリーダー とは、要するに、
- Web ブラウザでアクセスすれば、どこでも同じものが見られる
という用件を満たす、
- ブログリーダー= RSS/Atom Feed Reader
である。
で、これがなぜ、先に上げた本質、
- 第三者の著作物を
- サーバ上に集約し
- それを再配信する行為
を満たすか、というと、RSS/Atom Feed Reader は、
- 第三者のブログなどの更新情報ファイル(= RSS/Atom Feed)を
- クローラー(=ファイル収集プログラム)で集めて、データベース上に保存し
- Feed Reader の Web インターフェース上に表示=再配信する
という動作を取るからである。
次にまとめサイトがなぜ今までに上げた三つの本質を満たすか、 というと、まとめサイトは基本的に、
- 2ch のスレなり動画なり他人のコンテンツなりを
- ブログ上や Wiki 上に集めて整理し
- かつ整理した結果を公開し提供する
という成り立ちがあるからである。
そして最後、サーバサイドモビライザーは、
- 第三者のモバイル表示に適さないコンテンツを
- 運営者のサーバ上にいったん保存してモバイルに最適化し
- それを利用者に提供する
という動作を取る。
そして、解説したこれら三つのサービスやコンテンツといったモノは、 やはり、先に上げた三つの本質、
- サービスの運営者、利用者、とは関係のない人のコンテンツを
- データベースなどに集めて
- それを元の管理者に許可なく、再び公開し提供する
の用件を満たす。
そしてこれらのコトから、先に上げた、
Web ベース のブログリーダー
- まとめサイト
- サーバサイドモビライザー
といった類いのサービスやコンテンツは、 SmartNews が抱える著作権問題と、同質の問題を抱えている、 と言えると思う。
第三者のコンテンツを集約し再公開することは悪なのか
僕は最初に上げた三つの本質、
- 第三者の著作物を
- サーバ上に集約し
- それを再配信する行為
を満たすサービスなりコンテンツなり、というのは、 それが、
- _ 公正な利用である限り_
- _ 著作権を制限_ してでも _ 認めるべき_
だと思ってる。
なぜか、と言えば、そも著作権法というのは、
文化の発展を主目的 とした法であり、
著作権を保護する目的 に関しても、
文化の発展を妨げてまでそれを行う 、
という性質の法ではない、と思うからだ。
無論、先に上げた三つの本質を持つサービスなりコンテンツなりが、
公正な利用であるか否か
というのは議論があるはずだし、また無条件に著作権利用を認めすぎるのも、 文化の発展という点では問題が起きる、と僕は思う。
ただ、SmartNews のモビライザーの機能は、基本的に利用者の利便性を図るモノだし、 その実装方法についても、著作権にある程度配慮したモノになって、 かつ SmartNews 自体に課金していたり、あるいは第三者のコンテンツに、 自分たちの広告をつける、とかしていないコトから、
取り立てて悪質 か、と問われると、 _ そうではない_ 、
と言えるんじゃないかと思う。
そして、
SmartNews の機能は違法だ! 決して許されない!
という主張を押し通すのであれば、先に上げた三つの本質を満たす、
- _ Web ベース_ のブログリーダー
- まとめサイト
- サーバサイドモビライザー
と言ったサービスやコンテンツも決して許されないコトとなってしまい、 それは著作権の過剰保護になってはいやしないか? と僕は思ってしまう。
またそれに著作権保護を厳密にすると、例えば
- ニコニコ動画
- pixiv
- 二次創作の同人誌 (要するに薄い本)
とかも存在が許されないことになってしまい、 果たしてそれが文化の健全な発展につながるのか? と僕は思う。
無論、僕は著作権の保護に反対、とかそういうワケではなく、
著作権の過剰な保護 や、あるいは _ 著作物利用の過剰な利用制限_ 、
と言ったモノに反対なだけであり、また、第三者による 著作物利用の権利 、 を、もう少し著作権法で認めてもいいのではないか、と僕は思っている。
以上。言いたいことを書きました。
という訳でざっと言いたいことを書いてみました。長いですね。はい。
まあ僕が今回、SmartNews の問題で思っていたコトは、 全部書き出すと上記のようなコトであり、 それ以上でもそれ以下でもない、とだけは先に言っておきます。
また、僕も賛否両論あると思ってるので、 僕の意見が絶対に正しいとかそういうつもりはなく、 もう少し今回の問題について、この記事をきっかけに、 本質をついた突っ込んだ議論が深まれば良いな、とか思ってます。
というワケで、SmartNews 問題について言いたいことを言ってみました。 結構スッキリしました ;-)
っていうかアレだ、年明けの様子とか振り返る記事かかないとなー。
#FIXME