クリエイターなんて掃いて捨てるほどいるし、生き残るには起業家としての覚悟が必要

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この間、​ネットサーフィンしてた​時に​見つけた​ togetter の​まとめ で、​ 竹熊健太郎さんが、

ほとんどの​人が​誤解している、​デビュー前新人が​心得るべきこと。​ 投稿や​持込みは​「営業」であって​受験でも​就活でもない。​ 作家デビューは​自分で​店を​開いて​経営する​ことと​同じ。​ だから​「私の​才能を​評価してください」では​ダメです。​ 「才能が​ある​ことは​前提」で、​版元は​あなたの​“売り”が​知りたいのです。

と​ Tweet していた​コトに​関連して、​プロの​作家さんたちが​議論を​交わしているのを​見て、​ 自分の​クリエイター論みたいなのを​書きたくなったので​書く。

クリエイターなんて​掃いて​捨てる​ほど​いる

まず、​僕は、​ プロの​(超重要) の​クリエイターを​目指す、​ あるいは、​プロと​して​食っていく​つもりである、​ と​いう​アマチュアが、​プロと​して​最初に​覚悟すべき点と​いうのは、

クリエイターなんて​掃き捨てる​ほど​いる

と​いう​ことだと​思う。

僕が​関心の​ある​クリエイトジャンルで、

  1. 小説
  2. 漫画 or イラスト
  3. 音楽家
  4. プログラミング

に​ついて​言うと、​例えば​小説家なんかは、​ちょっとした​都心に​ある、​ 大きな​書店、​例えば​僕の​よく​いく​名古屋の​本屋だと​三省堂書店とか、​ あるいは​ジュンク堂書店とかの、​書籍コーナーの​うち、​ ライトノベルとか、​あるいは​一般​小説の​コーナーを​見れば​一目瞭然だけど、​ あ​あいう​大きな​本屋の​コーナーでは、

膨大な​小説が、​複数列を​なして​並んでいて、​かつ​それが​本棚​何個分も​ある

と​いう​現実が​あるんだけど、​もし、​小説家と​して​デビューしたい、​ と​考えているのであれば、

膨大な​小説群は​すべて​ライバルであり、​自分の​小説で​それらを​蹴散らしていく

と​いう​覚悟が​要求される。

んで、​次に​今回竹熊さんが​言っていた​漫画云々で​言えば、

膨大な​数の​イラストや​漫画が、​一つの​ネットサービスに​投稿されている

と​いう​現実が​ある。

即ち​これは、​膨大な​数の​コンテンツを、​プロ、​アマチュア問わず、​ かなりの​数の​創作家が​投稿した、と​いう​ことになる。

で、​もし本気で​プロの​イラストレーター、​あるいは​漫画家に​なるつもりである​ならば、​ 当然、​これらの​創作家は​ すべてが​ライバル で、​甘っちょろい​考え方では、​ そう​簡単には​生き残れない。

んで、​さらに​次に、​音楽家で​言うならば、​これは​かなりの​レッドオーシャンで、​ プロアマ問わず、​世界中に​音楽が​作れる​人が​いるし、​例えば​最近​興隆してきた、​ ボカロ P なんか​でも、​ニコ動なんかを​見れば​わかるけど、​ 鑑賞しきれない​ほどの​量が​投稿されている。

で、​最後、​プログラミングに​関しても、​例えば​ iPhone の​アプリを​見れば​わかるけど、​ もう​何十万以上と​いう​アプリが​リリースされているにも​関わらず、​ 一回も​ダウンロードされてないのが​多数とか、​あるいは、​ 主に​売れるのは​ごく​一部の​アプリのみ、とか、​そういう​現実が​ある。

で、​僕の​関心の​ある​ジャンルでも、

膨大な​数の​クリエイターが、​膨大な​数の​創造を​している

と​いう​現実の​中で、​もし、​プロと​して​食っていく、​ と​いう​ことを​望むのであれば、​それは​当然、

膨大な​数の​クリエイターの​中で、​輝ける​唯一に​なる

と​いう​難行を​成す、と​いう​コトと​なる。

で、​これは​まあ、​創作者側から​見た​視点だけど、​ もし​これを​反対、​創作者を​使う​側から​見ると​すると、

膨大な​数の​取引先候補が​いる

と​いう​ことになる。

それは​同然、

一つが​だめに​なっても​代わりなんていくらでも​いる

と​いう​ことになる。

もし、​僕が、​クリエイターを​使う​側に​なると​するならば、​ 単一障​害点が​できないよう、​複数の​クリエイターを​使う​コトに​なると​思うし、​ 単一の​クリエイターと​取引したい、と​考えるならば、​ 当然、​キチンと​仕事を​成すクリエイターを​選ぶ​コトに​なる。

で、​何が​言いたいかっていうと、​これは​次の​項目でも​述べるけど、​ プロの​クリエイターに​なる、と​いう​ことは、​膨大な​競争相手と​火花を​散らす、

れっきとした​ビジネスである​ と​いう​認識が​必要と​なる。

プロに​なる​=創作で​起業する

先ほど、​プロの​クリエイターに​なる、と​いう​ことは、​ ビジネスマンに​なる、と​いう​ことだ、​と​言ったけれど、​ これは​即ち、

プロの​クリエイターに​なる​ことは、​創作行為で​起業するに​等しい

と​いう​コトが​言える。

これは​どういう​ことか。

は​っきり言おう、​プロと​して​自分の​作品を​使って​対価を​得る、と​いう​行為は、

創作行為を​ビジネスモデルと​して​起業する

と​いう​コト​その​ものである、と。

僕は​ここ最近​起業する​ことに​関して​関心を​持ち、​ いろいろな本を​読ん​できた訳だけど、​その​中で​思うのは、​ ライトノベルとかの​ワナビとかは、​この​視点、

プロに​なると​いう​ことは、​創作行為を​ビジネスモデルと​する​起業である

と​いう​視点が​欠けるからではないか、と​僕は​思う。

これは、​小説とかに​限らず、​なんでも​そうだけど、​ クリエイターと​して​プロと​して​食っていく、​ と​いう​ことは、​その​作品を​提供する​ことに​よって​対価を​得る、​ と​いう​ことで、​それは​通常の​起業に​おいて、​新たな​ビジネスモデルを​使って、​ 事業を​起こし、​それに​よって​対価を​得る、と​いう​コトと、​なんら​代わりは​ない、​ と​僕は​思う。

は​っきり​言えば、​プロに​なりたい​アマチュア、と​いうのは、​ 言って​見れば​自己資金のみで​始めた​ベンチャー企業のような​もので、​ 当然、​たいした​実績もなければ、​取引先も​簡単に​見つからない、​ と​いうような​状況下でも、​初心に​描いた​ビジョンに​基づき、​ 世界を​かえるべく​活動を​続ける、と​いう​情熱が​いる。

僕は、もし、​この​苦しい​ときでも​決して​輝きを​失わない​ビジョンと、​ それを​なんと​しても​実現しようとする​熱量が​なければ、

プロに​なぞなるべきではない 、と​思う。

僕が​知ってる​範囲だと、​何かの​本か​何かで​読んだのだけど、​ ライトノベル作家と​いうのは、​三冊本を​出せれば​良い方で、​ 大抵の​ライトノベル作家は、​三冊も​本を​出せないままに​消えていく、​ と​いう​現実が​あるらしい。

で、​これで​言えるのは、​三冊も​本を​出せないのは、​ 様々な​理由が​あるにしろ、​それは​ピボット(方​針転換)が​できなかったとか、​ あるいは​熱量が​続かなかった​(資金切れ)とか、​ または、​想定する​読者に​届かなかった​(ビジネスモデルが​間違っていた​)と​言ったような、​ 理由で、​新人小説家と​いう​ベンチャー企業が、​ 世界を​かえられずに​潰れていく、と​いう​ことだと​思う。

で、​世界を​かえられなかった​夢破れた​人は、​とっとと​損切りされて、​ 表舞台から​消えていくわけだけど、​それは​当然の​コトで、​ 例えば​編集者は​売れない​小説家と​いう​負債を​とっとと​清算したがるのは​当然だし、​ また​新人に​とっても、​自分は​この​分野は​向いてないと​わかったのであれば、​ とっとと​ピボット(方​針転換)した方が、​その後を​人生を​充実させられるのではないか、​ と​思う。

新人は、​売りを​感じさせる​=原石である​存在でなければ​やっていけない

で、​ここで​最初の​竹熊氏の​発言に​戻るんだけど、​ 竹熊氏の​ Tweet、

ほとんどの​人が​誤解している、​デビュー前新人が​心得るべきこと。​ 投稿や​持込みは​「営業」であって​受験でも​就活でもない。​ 作家デビューは​自分で​店を​開いて​経営する​ことと​同じ。​ だから​「私の​才能を​評価してください」では​ダメです。​ 「才能が​ある​ことは​前提」で、​版元は​あなたの​“売り”が​知りたいのです

と​いう​コトは​上記で​書いた​コトを​まったく​言ってる​コトが​一緒で、​ 例えば​上記 Tweet の​内容を​普通の​ビジネス起業に​例えるのであれば、​ 起業したばかりの​ベンチャー起業が、​ベンチャーキャピタルに​投資を​依頼する、​ と​いう​ことだと​捉える​ことができる。

で、​ベンチャー起業でも​新人クリエイターでも​そうだけど、​ ベンチャーキャピタル、​あるいは​雑誌などの​編集サイドでも、​ 売り込みを​してきた​人物の​ビジネスモデル or 作品が、​後に​利益を​生む、​ と​いう​匂いを​発していなければ、​投資なんか​行わない。

それは​即ち、

新人は、​宝石となりうる​原石でなければならない

と​いう​ことを​意味する。

これは​逆の​立場で​考えれば​わかる​コトで、​例えば​ベンチャーキャピタルで​あれば、​ リスク=不確定要素の​ある​ベンチャーに​対し、​自分達が​投資を​行うのであれば、​ 少しでも​可能性の​ある​事業に​投資したい、と​考えるわけだし、​ また​雑誌等の​編集で​あれば、​すこしても​輝きを​放てる​新人を​得たい、​ と​考えるのも​また​当然である、と​僕は​思う。

と​いうか、​上記の​コトが​できない​ベンチャーキャピタルとか、​ あるいは​雑誌等の​編集は、​早晩、​潰れてしまうのが​オチだし、​ ベンチャーキャピタルとか​編集とか​そう​甘い​世界じゃない。

で、​今回、​最初に​リンクを​貼った、​togetter の​まとめ、

では、​プロの​漫画家さんたちが、​それは​ちょっと​違うのではないか、​ 編集は、​新人の​売りは、​編集者とともに​見つけていく​ものではないか、​ とか​言ってるんだけど、​それは​確かに​一面は​あると​思う。

だけども、​それでも、

輝ける​原石でもないただの​石っころの​新人を​相手に、​編集がかまけてる​暇なんてない

と​言えると​思う。

だって​アレだよ?​ 編集サイドは、​こいつの​売りは​よく​わからないけど、​ 何か​感じる​ものが​ある、と​いう​新人に​対して​投資を​行うのであって、​ 輝く​ものも​何も​ない​石っころに​投資する​資金なんて​ないわけで、​ 少なくとも​新人と​して​デビューを​望むのであれば、​ ある​程度​輝く​部分を​のばす必要が​あるし、​それが​できないのであれば、​ プロと​して​やっていけるは​ずもない。

で、​ベンチャー起業も​一緒で、​こいつの​ビジョンは​なんだか​よく​わからないけど、​ 少なくとも​ビジネスと​しては​先見性が​ありそう、と​思う​企業に​投資するのであって、​ 当然の​コトながら、​可能性も​クソも​ない​ベンチャーに​投資する​ワケが​ない。

まあ、​そういう​ワケで、​新人クリエイターに​しろ、​ 新興企業にしろ、​何か​感じる​ものの​ある、​ 輝く​原石でなければ​認められないし、​また​輝く​宝石に​なれないのであれば、​ それは​早晩潰れていく​コトと​なると​思う。

以上

と​いうわけで、​以上が​僕の​考える​クリエイター論です。

勢いまかせに​書いたら​長くなったんで​内容を​まとめると、

  1. クリエイターなんて​掃いて​捨てる​ほど​いる
  2. プロの​クリエイターに​なる​=創作行為で​起業する
  3. 新人とは​即ちベンチャー企業に​等しい
  4. 輝く​原石でなければ​誰も​投資しない

って​感じでしょうか。

まあ僕は​全部が​全部​実感している、とは​言い​切れない​ものの、​ 基本的には、​プロの​クリエイターに​なる、と​いう​コトは、​ こういう​ことなのだ、と​いう​覚悟は​持ってます。

なんで​僕は​小説書いたり音楽作ったりは​趣味にしと​こう、とか​考えている​ワケです。​ まあそもそも​僕は​心の​病気が​原因で​障碍者に​なってたりするので、​ プロに​なる​体力も​熱量も​ないんですけどね。​今の​段階だと。

まあ僕が​思うに、​上記のような​コトを​覚悟できない​新人さんは、​ プロと​して​やっていける​ワケないし、​プロに​なる​過程で、​ 上記覚悟が​できないのであれば、​早晩潰れて​使い捨てられて​終わり、​ と​いう​ことに​なると​思います。

ま、​人それぞれちょっと​ずつ理解の​仕方とか、​ あるは​ロジックとか​違うと​思いますが、​プロの​方は、​ だいたい​上記のような​コトを​覚悟と​して​持っているのかな、と​思います。

と​いうわけで​以上、​僕の​考える​クリエイター論でした。​まる。

#FIXME

にゃるら(カラクリスタ)

『輝かしい青春』なんて失かった人。
次に備えて待機中。

今は趣味でプログラミングをして
生活しています。