著作権侵害が厳罰化されることによって運営できなくなるかもしれないWebServiceまとめ

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概要: 著作権侵害が厳罰化されることによって運営できなくなるかも知れない WebService まとめてみる。


ここのところ 著作権侵害を非親告罪化 しようとしていたり、

以下の内容は個人的に考えたものであって、必ずしも正しいということではないかも知れないので、 何か勘違いや間違い、意見等があったらコメントやトラクバックでお知らせください。

ソーシャルブックマーク/オンラインブックマーク

まず、 はてなブックマークLivedoor Clip

個人のページに関しては問題ないかもしれないんだけど、 ブックマークした人の一覧については著作権侵害になる可能性がある。

第一にはてなブックマークに関しては、本文の一部が引用されて表示されている。 で、問題がその引用部分で、これが引用の用件を満たしているかどうか、というのが問題になる。

ブックマークされたページの引用部分が従で、そのページにつけられたコメントが主となる場合、 引用は成立すると思うんだけど、コメントがない場合、引用部分がブックマークされたページの転載となる可能性がある。

そうなった場合、著作権者の許可のない転載は著作権の侵害となる。

しかも、はてなブックマークの場合、ブックマークした人のコメント一覧に広告が表示されているので、 営利目的と判断され、より悪質と判断される可能性がある。

現行法でもブックマークに対するコメント一覧のページに関しては微妙なので、これが非親告罪化した場合、 はてなの中の人が逮捕される、という可能性が高くなってくる。

第二にサイトのサムネイルが著作権侵害になる可能性がある。 これははてなブックマークや Livedoor Clip が該当する。

Web サイトの縮小サムネイルについて、海外(アメリカ)においては、そのサイトの要約であり、 著作権侵害には該当しない、という判決が出てるんだど、日本においてはどうなるか分からない。

サムネイルが著作権侵害になるか、ということについで争われた前例が日本にはないので、 場合によっては著作権侵害として認められる可能性はある。

そうなった場合、当然はてなブックマークや Livedoor Clip は侵害行為を行っていることになり、 逮捕とか告訴とかそういったことになりかねない。

で、del.icio.us の場合なんだけど、del.icio.us の場合、海外のサービスと言うこともあるんだけど、 コメントの一覧に広告はないし、ブックマークされたページの引用もないので、 問題はない。

あと del.icio.us のトップページには縮小サムネイルが表示されてるけど、 向こうの法律ではサムネイルは著作権侵害に該当しないと判断されているので、これも問題ない。

更新チェックサービス/アンテナ/フィードリーダー

次に はてなアンテナLivedoorReader について考えてみる。

はてなアンテナで問題となりうるのは、

  • 捕捉サイトの本文
  • 捕捉サイトのサムネイル

の二点。これらに関しては、上記の問題点と同じ。

で、LivedoorReader に関してなんだけど、これは現行法でも黒と判断されるんじゃないか?

まず、LivedoorReader では購読サイトの本文が表示されていて、かつ不特定多数に配信されているので、 私的複製にはなりえないと思う。例の すべてのオンラインストレージを著作権侵害として扱うような判決 に当てはめて考えるとそう判断もできる。

これはひどい。

検索エンジン

Google や yahoo!といった検索エンジンについて。

現行法でも真っ黒。

検索結果一覧にページの本文が表示されてるけど、あれは引用の用件を明らかに満たしてないし、 どう考えても転載でしかないので、著作権侵害は明確だと思う。

これが非親告罪化された場合、問答無用で警察の調査が入り、検索エンジンは日本から撤退しました、 なんてことになると日本のインターネットオワッタ\(^o^)/ってことになりかねない。

それではあまりにも不便だし、第一文化の発展を大きく阻害することになるので、 検索エンジンを合法に運営できるようにしよう、という動きがあったように思うけど、 著作権侵害の非親告罪化はそれと逆行しているようにしか思えない。

著作権に関する自分の意見

ぶっちゃけ利用者そっちのけで既存権利者の利益を守ることしか考えてないんじゃないか。

著作権法は著作権者の権利を守るために制定されたんだろうけど、 利用者の権利を保障してもいいんじゃないか。

今の動きを見てると、著作権者の権利ばかりが優先されていて、 利用者や二次創作者の権利は削られてもかまわない、という感じを受ける。

既存権利者の権利だけが守られて、利用者の権利をないがしろにしている状態で、 はたして文化の発展があるのか、と言いたい。

「芸術は模倣から始まる」とよく言われているけど、芸術に限らず、 あらゆる創造(作曲、編集、プログラミング、等)は既にあるものを改造したり、改良したり、 変質させてみたりとそういうことを行うことから始まるんじゃないか、と思う。

はっきり言ってそれを阻害する昨今の動きは既存権利者を権利をさらに拡大させ、 文化の発展を阻害してまで、既存権利者の権利を守る、という方向に向かっているんじゃないか。

もっとも、既存権利者の権利を守らなくてもいい、という考えているわけではなくて、 著作物を無秩序に複製されたり、無断で商用利用されることが横行すれば、 文化の発展は当然阻害される。

けど、著作権者の権利が拡大されれば拡大されるほど、著作物を利用する側にとっては、 不利益をこうむることになる。

僕は著作物の利用者に、もっと自由に著作物を利用できる権利を与えるべきだ、と考えている。 当然、利用者の権利と著作権者の権利は衝突するわけだけど、利用者の権利のために、 著作権者の権利は制限されてもかまわないと考えている。

それはもちろん、自分の著作物に対する権利が制限されるという意味でもあるけど、 僕は、自分の著作物に関しては一定のルールの下で自由に利用してもらいたいと考えているし、 それがコミュニティーへの発展、文化の発展や文明の進化に繋がると考えている。

まあ、文化の発展のために著作権は守らないといけないんだけど、 過度に守ろうとするとかえって発展を阻害するっていうことなんだと思う。 今後の課題というのはいかにしてそのバランスをとるか、ということだと僕は思う。

とりあえず自分の著作権についての考え方をまとめてみた。 何か意見があったらコメントやトラックバックでお知らせください。

ネットでの自由な議論が発展することを願って。

#FIXME

にゃるら(カラクリスタ)

『輝かしい青春』なんて失かった人。
次に備えて待機中。

今は趣味でプログラミングをして
生活しています。