Winny事件の問題点を考える

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Winny 事件における、いくつかの問題点について考える。


先日、Winny の作者である金子勇氏が罰金刑に処せられた。で、今回の判決は色んな意味で微妙だと思った。

まあ、それはいいとして、この Winny 事件、考えるべき問題がいくつもあって、それを一つ一つバラしていかないと、この事件の問題点を理解する障害になるので、あんまり詳しくないものの、問題点を整理してみる。

なお、整理するのに、以下のリンク先を参考にした。

以下の内容は、以上のリンク先を読んでからみた方がいいです。

Winny 事件の問題点

  • Winny 自体は違法か?
  • 今回の判決では違法とはされていない
  • [/ ただし、Winny の性質はワーム等に近いので社会的に危険。
  • ゆえに、法で規制するのを検討した方がいい] (高木浩光氏の意見)

開発者起訴語、まともに議論できなくなっていた (高木浩光氏の意見)

  • ではその線引きはどうするのか (僕の意見)
  • 金子氏は著作権侵害を蔓延を幇助する意思があったか
  • 検察は蔓延を幇助する意思があったと主張
  • Winny によって著作権侵害の蔓延を積極的に企図したとまでは認められない
  • 被告側は開発は技術的検証のためと主張
  • 判決ではこの主張は却下
  • 司法が開発者を罰してもいいのか

金子氏が著作権侵害を意図していなかったとしたら、何故「著作権侵害の幇助」に問われたのか (佐々木俊尚氏の指摘)

開発者が意図せずに著作権侵害(犯罪行為)が蔓延した場合、開発者は幇助となるのか (佐々木俊尚氏の指摘)

  • ソフトウェアと表現の自由 原告の側からも被告の側からもそれほど追求されなかった (小飼弾氏の意見)

感想

ざっとこんな感じかな?

Winny 事件に関しては、あまり追いかけてないので、事実誤認があるかもしれません。なにか間違いがあればコメントで指摘してください。

個人的に、Winny が違法、開発/配布が違法とされると、問題だと考えている。高木氏の言う通り、Winny のシステムが社会的に危険なのは理解できるのだけど、それを違法、規制してしまうのは問題があると思う。

まず、線引きを明確にしないと、拡大解釈されてしまう恐れがあるし、「Winny のようなもの」が違法となった場合、健全なソフトウェアの開発に影響を及ぼす可能性がある。

あと僕は、佐々木氏が指摘した 開発者が意図せずに著作権侵害(犯罪行為)が蔓延した場合、開発者は幇助となるのか 、という点が一番気になる。これが認められる場合、開発者は自分の作ったソフトウェアが違法利用されることに怯えることになってしまう。

例えば、 Plagger なんかは、使い方によっては著作権侵害ツールになるし、ファイルアップローダーなんて、現状、著作権侵害ファイルのやり取りによく使われている。

あと、インターネットでのファイルのやり取りはブラウザやサーバが使われているわけで、これらのソフトウェアが著作権侵害の幇助にあたるのか、ということにつながってくる。

今回の判決について、僕は微妙、というか金子氏が有罪になるのはどうかと思っている。

まあ、後腐れなく事件が解決するのは難しいとも感じているものの、後腐れなく解決して欲しいと思っている。

にゃるら(カラクリスタ)

『輝かしい青春』なんて失かった人。
次に備えて待機中。

今は趣味でプログラミングをして
生活しています。