始めに
2021 年 3 月現在、古いノートパソコンを復活させるための Chrome OS として、
と言うものが α リリースされていますが、今回の話はこちらの Chrome OS Flex ではなく 、
を用いて オリジナルの Chrome OS を Macbook Air mid 2011 で使える様にした と言う話です。
用意したもの
- オンボロと化した Macbook Air mid 2011 13-inch
- 8GB の USB 2.0 メモリースティック
- 最新の Brunch と Chrome OS 94 の recovery image
インストールの仕方
おおよその流れとしては下記の通りです:
- ChromeOS を Install するための ChromeOS on USB Memory Stick を作る
- ChromeOS を USB Memory Stick から起動して crosh から shell を起動する
- shell で
sudo chromeos-install -dst /dev/sdX
でインストールする
なお詳細な手順については、
を見てください。
インストール後の諸設定
Chrome OS は Macbook Air mid 2011 へ無事にインストールし終えた時点でおおよそは実用できる上になるのですが、 そのままだといくつか不具合が出るので次はその辺りの修正をします。
linux kernel の verison を下げる
まず最初にやるべきは crosh
(Ctrl
+ Alt
+ t
)→ shell
で shell を開き、
sudo edit-grub-config
を実行して kernel の version を kernel-4.19
に下げてください。
そして何故これが必要になるかと言うと、linux kernel 4.19 以外の linux kernel を使っていると、 ChromeOS が起動しないか、または Chrome OS がランダムに reboot する、と言う症状に落ち入るからです。
/usr/share/X11/xkb/keymaps/evdev
を編集する
これは Macbook Air を日本語キーボード以外で使っている方には関係ない話かと思うのですが、
Macbook Air で日本語キーボードを利用している場合、
そのままだとスペースバーの両サイドにある 英数
キーと かな
キーが機能しません。
そのため /usr/share/X11/xkb/keymaps/evdev
に含まれる記述のうち、
下記の様な部分を次の様に書換えます:
<HENK> = 130; // Henkan
<MUHE> = 131; // Muhenkan
// <HNGL> = 130; // Hangul Latin toggle
// <HJCV> = 131; // Hangul to Hanja conversion
なおこの作業を終えた後、この設定を有効にするためには一度 Chrome OS からログアウトする必要があります。
またここで何かしらの設定ファイルのミスがあると、 ChromeOS へログインできなくなる ため、 その辺りは 細心の注意をはらって作業をしてください。
注意点と動かない機能
まず Macbook Air mid 2011 には USB 2.0 の USB 端子しかないので、 高速に Chrome OS をインストールしようと思うと Thunderbolt 端子の USB Hub などが必要になるかと思います。
次に Chrome OS の開発者向け機能として Linux を有効にする と言う機能がありますが、 これはどうにも機能しません。
恐らく仮想化支援や kernel の verison が影響している様な気もするんですが、 linux の container が DL できても肝心の container が起動しないので、 どっちにしろ Chrome OS の Linux 機能は動作しないっぽいです。
以上
今回は上記の作業で Macbook Air mid 2011 で Chrome OS を使える様にしましたが、 とりあえず一部の機能を除き、今のところは順調に動作しています。
それで純正の Chrome OS を Macbook Air mid 2011 で動かしているので、 Android のアプリなども使えるのですが、一点ハマったところが有って、 Synthing の Android 版が使えない、と言うのがありました。
と言うのも Synthing の Android 版はインストールが出来て起動はするのですが、 Synthing 側の秘密鍵の生成が上手く出来ず、延々と待機画面が出て先に進まない、 と言う状態になりました。
なので これは諦めるしかないのか‥…? となりかけたのですが、 幸い、
と言う Synthing for Android を fork したアプリでなんとかなったので、 今はそちらを使っています。